WFP事務局長、ハイチへの支援拡大を表明
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WFPは1月にハイチ大地震が発生した直後から食糧支援を開始し、人々の命を救うことを目的に、これまでに400万人以上に緊急食糧配給を行ってきたが、今後は支援の内容を切り変え、復興と自立を後押しする。
WFPはハイチ政府との連携をさらに強め、学校給食プログラムや、母子などへの栄養強化プログラム、また、復興のための公共事業に参加した住民に給料がわりに食糧や現金を配る、といった手法を使い、ハイチの復興と自立を支援する。支援対象予定は200万人以上。シーラン事務局長は「WFPはハイチ の経済の回復のため、農家の自立と地域経済の刺激につながるような支援を行っていきます」と話している。
雨季とハリケーンの襲来が近づくなか、WFPは連携機関と共に、食糧や支援物資の備蓄態勢を強化。さらに、洪水、土地の浸食、地すべりなどに対する防災の取り組みも支援する。
シーラン事務局長は、今回のハイチ訪問でWFPの支援活動を視察した。そこでは、地震で家を失った人々が、洪水を防ぐため水溝に土手を作る事業に参加し、その労働の対価として食糧や現金を受け取っていた。人々が作った堤防は、肥沃な土が洪水で流れてしまうことを防ぎ、農業の回復にも繋がる。
シーラン事務局長は、「このような、現金と食糧を配給する支援活動は、ハイチにおける長期的な復興支援戦略の柱となります。人々が現金を受け取ることにより、地域経済の回復が期待できます。また、食糧配給により人々はきちんと栄養をとることができます」と説明。WFPはこうした支援事業の対 象者数を、14万人まで拡大していく。これにより、事業に参加する人の家族を含めて70万人が支援を受けることになる。
また、シーラン事務局長は、WFP飢餓撲滅大使に就任したばかりの歌手のクリスティーナ・アギレラと共にポルトー・プランス市内の学校を訪れ、学校給食プログラムの現場を視察した。
シーラン事務局長は、「ハイチの復興のためには、今後も国連諸機関、NGO、企業などが総動員で支援にあたる必要があります。WFPと共にハイチの復興を支援するパートナーの皆さまに感謝いたします」と話している。