アフガニスタンの危機深刻化を警告 東部・南部・西部の国境で治安悪化
【ジュネーブ】アフガニスタンの国境周辺で治安悪化が進んでいます。パキスタンとの東部・南部国境では戦闘が激化し、イラン側でも暴力が続いています。こうした新たな戦闘は、長年にわたる危機・紛争・混乱に疲弊し、すでに脆弱な状態にあるコミュニティに大きな負担をかけています。
まずは東部・南部国境についてお話しします。
アフガニスタンはパキスタンと約2,400kmの国境を接し、その影響は全州の3分の1に及びます。2月26日以降、国境線(デュラン・ライン)全域で暴力が激化し、東部、南東部、南部の各地域で約2万世帯が避難を余儀なくされました。国境を越えた暴力や空爆・地上攻撃は、ナンガルハル、ヌーリスターン、クナール、ラグマン、パクティカ、パクティヤ、ホースト、カンダハル、ヘルマンド、ザーブルの州にある46以上の地区に影響しています。
これらの州でWFPは緊急支援、社会保護、学校給食、生計支援活動を一時的に停止せざるを得ませんでした。緊急食料配布の停止により、約16万人が影響を受けています。
ご記憶の方もいらっしゃると思いますが、昨年8月31日に東部アフガニスタンを地震が襲いました。山岳地帯のクナール州やナンガルハル州は最も脆弱な地域であり、多くの人が家族、家、そして生計手段を失いました。今日、この同じコミュニティが再び戦闘の最前線に置かれ、パキスタンとの紛争激化という新たな脅威にさらされています。
影響を受けた地区の多くはすでに深刻な食料不安に直面しており、半数以上が「緊急レベル」の飢餓にあります。また影響地域の4州では急性栄養不良が危機的水準に達しており、人びとはますます厳しい状況に追い込まれています。
国の反対側、西部国境では、イランでの暴力が帰還者の急増につながるのではないかという懸念が高まっています。2025年6月の戦闘激化時にも同様の帰還者増加が見られました。多くの人々にとって、アフガニスタンへの帰還は、貧困、失業、飢餓、そして再び訪れる不安定さと向き合うことを意味します。
サイード・アジーズさん(36歳・4児の父)は数か月前にイランから戻りました。イランでは工場労働者として ささやかな収入で家族を養うことができていました。しかしアフガニスタンに戻ると、家も仕事もなく、日によってはパン以外に食べるものがありません。負傷して働けず、妻も制限により働けないため、家族は現在WFPの食料配給に頼って生活しています。ラマダン中、サイードさんは「断食明けに食べるものがほとんどありません」と語りました。この状況は最も脆弱な立場にある帰還者が、再び不安定、貧困、飢餓に直面している現実を物語っています。
2025年、WFPはイランおよびパキスタンとの国境地点で50万人以上の帰還者を支援しました。支援内容には現金、栄養強化ビスケット、女性と子どものための栄養食品が含まれていました。
2025年、アフガニスタンにはすでに250万人以上の帰還者が、イランとパキスタンから流入しました。今回の情勢悪化以前から、2026年も同規模の流入が予測されていましたが、戦闘の激化によりさらに増える可能性があり、資金が不足する人道支援体制に深刻な負担がかかる見通しです。
アフガニスタンは依然として世界最悪級の飢餓危機にあり、3人に1人、つまり1,740万人が緊急の食料支援を必要としています。子どもの栄養不良も深刻で、2026年には370万人が治療を必要とすると見込まれています。
新たな危機が迫るなか、現状の資金状況では、WFPはイランやパキスタンから逃れた人びと、そして国境紛争で国内避難民となった人々を支援できなくなる恐れがあります。
今年の冬期支援では、必要な人びとの一部にしか食料支援を届けることができませんでした。WFPは2026年4月までに緊急活動の資金が尽き、何百万人もの人びとが重要な支援を失う危険があると警告しています。
今後6か月間に必要な資金は3億1,300万米ドルです。WFPは国際社会に対し、この危機の最中にアフガニスタンを見捨てることがないよう強く求めます。
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世界食糧計画(WFP) は世界最大の人道支援機関であり、緊急時には命を救い、食料支援を通じて人々が紛争、災害、気候変動の影響から立ち直るための平和と安定、繁栄への道を築いています。
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田中 理子 satoko.tanaka@wfp.org