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南スーダンの飢餓の拡大に警鐘 早期の資金拠出を要請

© WFP/Peter Louis
【ジュバ】 国連世界食糧計画(WFP)は、南スーダンにおける来年の支援活動資金を早期に拠出するようドナーに要請します。支援食料を前倒しで準備、備蓄し、2025年以降の運営コストの高騰や飢餓の悪化を避けるためのものです。

この要請は、WFPと国連食糧農業機関(FAO)が発表した「飢餓の『ホットスポット』報告書」の発表を受けたものです。同報告書では、南スーダンが飢餓と死を防ぐために人道支援が欠かせない「最も懸念される国」として特に警戒が必要としています。

来年の人道支援で供給する食料が現在南スーダンに全くない状態であり、WFPは支援食料を前倒して準備するために4400万米ドルの資金を必要としています。これができなければ、孤立したコミュニティを支援するために来年後半に高額な空中投下に依存せざるを得ず、最も深刻な飢餓に直面している人々への支援が滞る可能性があります。

「支援資金を受け取ってから、実際に飢えた人々の手元に食料として届けるまでに数ヶ月かかることがあります。南スーダンの限られた道路網は通年で通ることが不可能で、特に食料不安が最も深刻な東部と中部ではその傾向が顕著です」と、WFP南スーダン事務所のショーン・ヒューズ代表代理は述べています。

今年中に資金が提供されれば、WFP12月から来年4月までの短い乾期の間に、陸路で食料を飢餓の深刻な地域に事前に配備できます。

「空中投下はWFPにとって常に最後の手段です。飛行機に1ドル費やすごとに、飢えた人々のための食料に1ドル使われないことになります。しかし、シンプルな解決策があります。大雨と洪水でコミュニティが孤立する前に、陸路で食料を届けておくのです」とヒューズ代表代理は言います。

今年、WFPは飢餓のニーズに応えるため、空中投下する食料支援量を倍増し、約3,000万米ドルの追加コストが発生しました。適時に食料が現地になかったためです。これに対し、2019年には、ドナーからの寛大な支援とタイムリーに食料が到着したおかげで、空中投下を70%削減することができました。

南スーダンでは、すでに人口の56%(710万人)が食料不安を計測する標準の「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」の「急性食料不安」(IPC3)以上のレベルにあり、通常5月から始まるリーンシーズン(1年で食料が最も不足する収穫前の時期)に食料不安が悪化する可能性が高いです。この悪化は、食料価格の高騰、深刻な経済危機、紛争や不安定な治安、スーダンからの避難民の流入、洪水などが原因です。

世界的な政情不安が人道的ニーズを増大させている中、WFPは南スーダンでの支援対象者数や1人当たりの支援量の削減を余儀なくされています。2024年のリーンシーズン中に一定の支援を受けられたのは、飢餓に直面している710万人中わずか38%(270万人)で、大半が半分の配給しか受けていません。WFPが可能な限り多くの脆弱な人々に支援を届けるためには、運営コストの削減が不可欠です。

編集者への注記:
南スーダンでの人道支援輸送ルートには、道路、川、空中投下が含まれます。しかし、道路輸送陸路は年に数ヶ月しか利用できず、河川輸送は時間がかかり、輸送量も限られます。南スーダンでの空中投下は、道路輸送に比べて17倍もの費用がかかり、同じ時間枠で運べる物資の量もはるかに少ないです。

南スーダンのリーンシーズンは毎年5月から8月ごろで、収穫直前のこの時期はコミュニティで最も食料不足に陥り、飢餓が増加する期間です。

2024年には、危機的な食料不足に続く大規模な洪水が発生し、農作物が壊滅的な被害を受け、コミュニティ全体が避難を余儀なくされました。WFPは人道支援を拡大し、洪水の影響を受けた120万人以上を支援しました。

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国連世界食糧計画(WFP)は、世界最大の人道支援機関であり、緊急時の命を救うと共に、紛争、災害、気候変動の影響から立ち直る人々の平和、安定、繁栄への道筋を食糧支援を通じて築いています。

トピック

南スーダン 資金調達 食料安全保障

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田中 理子  satoko.tanaka@wfp.org

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