1,200万人のシリア人が今、飢えに苦しんでおり、紛争と食料価格の高騰で消耗しています。
経済危機、新型コロナウィルスの結果としての雇用の喪失、食料価格の高騰は、10年間の紛争によって避難し、消耗しているシリア人の窮状に追い打ちをかけています。
「状況はかつてないほど悪化しています。10年に及ぶ紛争の末、シリアの家族は貯蓄を使い果たし、経済危機に直面しています」と、WFPシリア事務所代表ショーン・オブライエン氏は述べています。
パン、米、レンズ豆、油、砂糖など、一家が一ヶ月間食べていくための基本的な食料は、今では少なくとも12万シリアポンド(約2万5千円)もしており、これは平均的な給料をはるかに超えています。
「簡単な食事がシリア全土の家族の手の届かないところにあるのは憂慮すべきことです 。この新しいデータによると、人道的支援は食事をテーブルに用意できるか、空腹のまま寝るかの違いになります。」とオブライエン代表は述べています。「命を救う支援がこれほど重要なものになったことはありません」
国連WFPとパートナーが実施した「2020年食料安全保障と家計の評価」では、食料援助なしでは生きていけないという意味で、深刻な食料不安に陥っている人々の数がわずか1年で倍増し、130万人になったと推計されています。緊急の対策がとられない限り、さらに180万人が深刻な食料不安に陥る危険にさらされています。
昨年1年間でシリア全土で食料品の価格が高騰し、基本的な品目の価格が236%も上昇し、シリアポンドの価値が急落しました。平均して、油の価格は、2020年1月には1000シリアポンドだったものが、2021年1月には5000シリアポンドにまで上昇しています。
現在、親たちは生き延びるために必死の決断をしたり、子供たちを養うために食べる量を減らしたり、借金をしたり、収入を得るために資産や家畜を売ったりしていると報告されています。さらに、シリアの人口の50%近くが、経済不況と新型コロナウィルス の大流行により、1 つ以上の収入源を失ったと報告されています。
国連WFPは毎月、シリアの最も弱い立場にある約500万人の人々に、命を救う食料支援を行っています。多くの人々にとって、これが毎月の唯一の食料となっています。
国連WFPは、シリア全土での継続的な支援を確保するために、2021年7月まで3億7530万米ドルの追加支援を必要としています。
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国連世界食糧計画(WFP)は、2020年のノーベル平和賞を受賞しました。 私たちは世界最大の人道支援組織であり、緊急時に命を救い、食料支援を活用して、紛争や災害、気候変動の影響から立ち直った人々のために平和、安定、繁栄への道筋を構築しています。