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世界人道の日に寄せて 〜餓えの最前線で働く人道支援者たちに敬意を表して〜

8月19日は「世界人道の日」。人を助けるということを考えようという日です。2003年8月19日、イラクのバグダッドで国連本部が爆破され、支援活動に従事していた22名が命を落としたことから、その死を悼み、人道精神を受け継ぐために制定されました。 それから10年。アーサリン・カズンWFP事務局長がメッセージを寄せました。

ローマ発

2003年、イラク・バグダッドの国連本部が攻撃され、世界は22名の死を悼みました。それから10年が経ちましたが、業務中に人道支援者が命を落とすということは未だに続いています。また、命こそ落とさなくても、負傷したり、拘束・誘拐されたり、トラウマを負ったり、人の命を救うための活動を妨げられる人道支援者は数多くいます。

8月19日の世界人道の日を迎え、国連WFPの仲間達は、この1年で命を落とした7名の同僚に思いを馳せています。彼らは、南スーダン、スーダン、ルワンダ、アフガニスタンで支援を必要としている人たちを助けようと懸命に活動している最中に、命を落としました。彼らの危険をものともしない勇敢さ、餓えとの戦いに対する情熱、自分よりも他人を助けようとする献身的な姿勢を、私たちや彼らの家族・友人らはいつまでも覚えていることでしょう。

故人に対して敬意を表すと同時に、国連WFPやパートナー機関の人道支援者たちにも賛辞を贈りたいと思います。彼らは、無私無欲の精神で、疲れをおぼえることもなく、栄養不良の子どもたちに栄養たっぷりの食べ物を届け、洪水の被災者に住居を提供し、何も持たずに逃げて来た難民にきれいな水を配っているのです。

飢餓と貧困のない世界を実現するには、この目標の実現に向かって難しい仕事に懸命に取り組む人たちを支え、目標実現を応援しなければなりません。それはつまり、人道支援の原則である博愛精神、中立性、公平性、独立性を認識し、尊重するということです。また、最も弱い立場にある人々の地域へ支援物資を届けようとする職員が安全に通行できるように援護するということです。

人道主義とは何を意味するかということは、深く正しい理解を必要とします。いみじくも、WFPパナマ事務所の運転手、ルイスはこう言っていました。

「それは、支援を必要としている人たちにすべてをあげるってことだ。それは緊急事態が起きた時だけじゃなくいつでも相手が必要とする時に、相手がその時どう感じているかということを考えずに、だ。」