サイクロン・ナルギス: 2ヶ月が経過
ローマ、2008年7月3日
2ヶ月前にミャンマーを襲ったサイクロンの傷跡はいまだ深く残っている。サイクロン上陸時、風速は時速200キロメートルを記録し、ヤンゴン周辺やデルタ地帯を含む農村部・沿海部に甚大な被害をもたらした。
インド洋からの高潮により穀物が壊滅的な被害を受け、生活基盤も著しい被害を受けた。学校施設は破壊され、安全な飲用水の確保は困難になった。死者・行方不明者は13万人で、被害に遭った人は240万人に上る。
サイクロン発生直後から、WFPは被災者への支援を開始した。海外からの援助関係者へのビザの発行には遅れが出たが、ミャンマーの現地スタッフが精力的に活動した。
これまでにWFPは、ヘリコプター、トラック、船を使用し1万8千トンに及ぶ食糧支援を行った。内訳は、米、豆、油、塩、高カロリービスケット等で、デルタ地帯の68万4千人の被災者に届けられた。
しかし、75万人に対する食糧支援に必要な7千万米ドルのうち、55%が不足している。
WFPはヘリコプター10機を使用し、今まで支援の行き渡らなかった被災地にも救援物資を届けた。これまでそれらの地域に463回の支援物資の運搬を行った。支援物資は、食糧以外の支援物資も含まれており、506トンに及ぶ。現在、緊急支援の段階が終わりつつあり、ヘリコプターは5機が稼動を停止した。
しかし、デルタ地帯では水路輸送が必要とされており、WFPは新たに7隻の船を借り上げ物資輸送を開始した。また15台のトラックも稼動している。
ミャンマーは食糧余剰国だが、全ての国民に食糧は行き渡っていなく、三分の一の子供が栄養失調に苦しんでいる。
栄養ある食事や安全な飲料水を確保することは難しく、保健医療サービスやトイレ等の公共衛生設備も不足している。
現地の人々が災害以前の生活を取り戻すにあたって、WFPはこれからも食糧支援を続ける。