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日本と国連WFP、ガーナとシエラレオネで 創造的な栄養支援プロジェクトを立ち上げ

横浜発 日本政府は、WFP 国連世界食糧計画に対して150万米ドルを供与しました。拠出金はガーナとシエラレオネにて創造的な栄養支援プロジェクトを立ち上げるために使われます。

先日、日本政府は栄養事情の改善に取り組むアフリカ各国政府を支援するため、国連WFPとのパートナーシップをさらに強化することを表明しましたが、この栄養支援プロジェクトはその一環として行われ、特に栄養不良の危険にさらされやすい妊婦、授乳中の母親、および小さな子どもに焦点を当てたものとなります。

ガーナ訪問中の阿部俊子外務大臣政務官は7日、WFPのフェリックス・ゴメス西アフリカ地域局次長と会談し、ガーナに100万米ドル、シエラレオネに50万米ドルを拠出することを発表しました。

ゴメス地域局次長は、「日本は弱い立場にいる母親や子どもたちの栄養状態を改善するため、積極的に関与し、強いリーダーシップのもとで投資をして下さり、深く感謝申し上げます。妊娠から2歳になるまでの人生の最初の1000日に適切な栄養を摂取できないと、子どもたちの身体および知能の発育には取り返しのつかない悪影響が出てしまうことがあります。栄養不良の悪影響が根付いてしまわないよう、日本および現地政府と密接に連携し、積極的に活動していく所存です」と述べました。

栄養改善分野での最適な連携方法を決定すべく、国連WFPは現在、ガーナとシエラレオネ両政府と協議を始めています。また、国連諸機関や、国際協力機構(JICA)、日本の非政府組織(NGO)や企業などとも協議が進められています。また、シエラレオネでは国連WFPは国連人口基金(UNFPA)ともパートナーシップを結び、とりわけ妊娠・授乳中の少女や女性たちの健康や福祉、栄養問題に関して連携しています。

日本からの拠出金は栄養強化食品の購入にも充てられます。この食糧は現在行われている栄養支援事業の一環として、5歳未満の子どもや妊婦、授乳中の母親に配られます。

6月に開催された第5回アフリカ開発会議で阿部政務官はカズンWFP事務局長と会談し、母親と子どもに対する適切な栄養の重要性を再確認したほか、アフリカで栄養支援プロジェクトを立ち上げることで合意していました。

世界には発育障害に苦しむ子どもが1億6千5百万人いるとされています。サブサハラ・アフリカでは5歳以下の子どものなんと40%もが発育障害です。ガーナ全体における発育障害の割合は23%ですが、北部など栄養事情が悪い地域では37%に上ります。シエラレオネでは、2010年の調査によれば、5歳未満の子どもの発育障害の割合は全国的は34.1%でしたが、4つの地域においては深刻な値とされる40%を超えていました。

発育障害は主に栄養不良が原因で、人生の大事な最初の1000日間の栄養不良によって引き起こされ、その人の身体や知能の発育を阻害し、将来の生産性や収入を得る力を損ないます。次世代を育て、途上国の国民所得を増やすためには、適切な栄養が不可欠なのです。