南スーダン、飢饉が起きる前に国際社会の支援を
「日々、子どもたちが栄養不良で亡くなっている今、国際社会は、飢饉宣言が出る前に、行動しなければなりません。」 数万人が避難するマラカルの国連施設を訪れたUNICEFのアンソニー・レーク事務局長は述べました。
2機関の事務局長は、このままでは、3年前、2011年にソマリアとアフリカの角地域で起きたことが再び繰り返されるのを、国際社会が容認することになる、との懸念を表明しました。2011年、 極度の飢餓と栄養不良の深刻化という警告が早期に出ていたにもかかわらず、公式に飢饉が宣言されるまで、これらの警告はほとんど見過ごされていました。
アーサリン・カズン国連WFP事務局長は、「国連WFPとUNICEF、そして南スーダンのパートナー団体は、紛争下で苦しむ人たちに休みなく支援活動を行ってきました。今後もより一層の支援を、より多くの人たちに届ける構えです。」と述べました。 「しかし、支援活動を急速に拡大し、さらに多くの命を守るためには、より多くの資金、物資が必要となります。国際社会は今こそ、行動を起こすべきです。」と強調しました。
UNICEFと国連WFPは、2014年、南スーダンで100万人近い子どもに急性栄養不良の治療が必要となるとみています。また、国際社会が、命をつなぐ食糧や栄養の支援をすぐに拡大しなければ、今年、5万人の子どもが栄養不良で死亡する恐れがあるとUNICEFは推計しています。
南スーダンの紛争は3州に集中しているにもかかわらず、国内人口の3人に1人にあたる390万人もが危機的な食糧不足で、その多くが、次にいつ食事をできるのかも分からない状況です。
紛争の影響で、南スーダン国内で100万人以上が避難生活を送り、その半数以上は子どもたちです。農業や社会サービスの提供、商業活動、市場の運営が行えず、生計手段が失われています。
戦闘や未整備なインフラ、パートナー団体の少なさ、資金不足もこれらの状況に輪をかけ、人道支援関係者が、支援を最も必要な人たちに届けることを、極めて難しくしています。