キルギス 沈静化の兆し見えるも食糧難続く
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オシ発
キルギス共和国南部のオシ市では、民族衝突を受けて建てられたバリケードが撤去され、ウズベク系居住区の住民が外出する姿も見られるようになった。ウズベキスタン共和国に一時避難していた人々も帰還し始め、親戚の家に身を寄せながら生活を立て直そうとしている。しかし、人々はいまだに充分な食糧を確保できておらず、商店や市場は営業再開の目処が立っていない。
アミール・アブドゥラWFP事務局次長はオシ市を訪問、緊急食糧支援の進行状況を視察し、WFPの食糧支援を受ける女性たちから話を聞いた。
WFPの食糧配給所で小麦粉と食用油を受け取った女性は、「どこに行っても何も買えず、家に保存していた食糧も底をつきました。今、本当に食糧が必要なのです」と話している。
先月25日までに、WFPはキルギス南部において24万人を対象に食糧支援を実施。650トンの小麦粉と油を配給し、20万人の食糧1日分に当たる110トンの栄養強化ビスケットを空輸した。タジキスタンやアフガニスタンの倉庫から、さらに小麦粉、豆、油、塩が輸送される予定。
WFPはキルギスにおける人道支援活動拠点に装甲車や情報通信機器を提供し、国連諸機関やNGOなどの活動を支えている。
ウズベク系・キルギス系住民の民族衝突によって、37万5千人が避難を余儀なくされた。そのうち、7万5千人は隣国のウズベキスタンに逃げ、残りの避難民は国境付近でのキャンプ生活を強いられている。人々は帰還を始めているが、食糧や生活必需品を確保できない状態が続いている。