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飢餓人口 減少するも依然高水準

世界の飢餓人口は、史上最多を記録した2009年の10億200万人から、9億2500万人と減少した。減少の主な理由としては、途上国の経済成長と、食糧価格の低下が挙げられる。

しかし、9億2500万人という数値は、2008年~2009年の食糧危機や経済危機以前より高い。世界では7人に1人が飢餓に苦しんでおり、依然として、あってはならないほど多くの人が飢餓に苦しむ現状が続いている。

1980年代~1990年代前半にかけては、慢性的飢餓の解消にむけて進展がみられた。しかし、1990年代後半以降は、飢餓人口は徐々に増え、2008年の食糧危機によりこの増加傾向に拍車がかかった。

穀物の国際価格は2008年に最高額を記録してからは、下落傾向にある。しかし、世界の最貧国では、食糧危機以前とくらべて食糧価格が高止まりしており、人々の生活を苦しめている。

途上国の総人口は世界の人口の16%を占めるにすぎないが、飢餓人口の98%は途上国に住んでいる。

地域としては、アジア・太平洋地域が最も多くの飢餓人口を抱える。飢餓人口の3分の2は、バングラデシュ・中国・コンゴ民主共和国・エチオピア・インド・インドネシア・パキスタンの7カ国に集中している。

ジョセット・シーランWFP事務局長は、「飢餓人口の減少は大変喜ばしいことですが、9億2500万という数字は依然として高すぎます。国際社会が継続的に関心を持ち続け、支援を続けなければ、飢餓人口は再び増加するでしょう。」と述べた。