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ハイチの現状とWFPの活動概要

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ハイチで多数の死傷者を出した大地震の発生から、ちょうど1年が経ちました。WFPは発生直後から緊急食糧配給を開始。現在も200万人に食糧支援を継続中です。WFPはハイチに未来の礎が築かれる日まで、支援を続けていきます。

ハイチの現状とWFPの活動概要についてまとめました。

●2010年1月12日の地震発生直後、WFP 国連世界食糧計画は、ハイチにおける緊急食糧配給を開始した。地震発生から6週間後の2月には、400万人がWFPの食糧支援を受けた。

●現在、WFPは緊急食糧支援の段階を終え、長期的に食糧事情を安定させるための戦略を伴った支援に移行している。この長期戦略には、最も弱い立場にある人たちが十分な栄養を摂れるようにするセーフティーネットの構築、および地元の食糧市場の支援強化などが含まれる。

●WFPはハイチ政府、自治体、そしてNGOと協働し、毎月、200万人に食糧支援を行っている。現在行われている活動は次の通り。

<WFPのハイチにおける活動概要>

★学校給食
WFPは、ハイチ政府とNGOとの協働体制を強化しながら、110万の子ども達に昼食を提供している。長期的に食糧事情を安定させるため、なるべく地元で生産された食材を給食に使うようにし、その割合を増加させている。


★栄養強化プログラム
WFPは、妊婦、授乳中の女性、5歳以下の子ども、HIV/エイズ患者、結核患者の深刻な栄養失調を緩和するため、栄養補助食品を提供している。この栄養強化プログラムにより、震災後のハイチにおいて、人々が危機的な栄養状態に陥ることを防ぐことができた。


★労働の対価としての食糧と現金の支給
WFPは、公共工事などに参加し、働いた住民に対し、その労働の対価として食糧や現金を支給している。首都と市街地ではがれき撤去を中心としたプロジェクトが行われており、まちの再建に貢献することが期待されている。このほかの取り組みとしては、運河や排水路の清掃(洪水被害の緩和につながる)や、農村部のかんがい設備や支線道路の建設作業が行われている。このプログラムの目標は14万人を雇用すること。労働者一人当たり家族5人分の現金や食糧が支給されるので、支援対象者は全体で70万人に到達する見通し。


★緊急事態への備え
ハイチ政府との連携によってWFPは緊急支援用の物資の備蓄をすすめており、現在、食糧・トラック・その他の救援物資がハイチ全土に備蓄されている。この備蓄のおかげでWFPはハリケーン・トーマスやコレラ発生などの緊急事態に即座に対応し、もっとも弱い立場の人々に物資を届けることができた。



<ハイチ基礎データ>
●ハイチは西半球における最貧困国で、国連開発計画の人間開発指数(2009年)では、世界182カ国中149位。

●ハイチ人の76%は1日2ドル以下の生活を余儀なくされており、56%は1日1ドル以下で生活している。

●新生児の3人に1人が低体重児。5〜9%の子ども達が深刻な栄養失調。24%の子ども達が慢性的な栄養失調状態。妊婦の5割、および5歳未満の子どもの3分の2が貧血症状に苦しんでいる。

●農村部における6歳から12歳の子どものうち72%がヨウ素欠乏症に苦しんでおり、就学年齢にある児童のうち32%が腸内寄生虫に感染している。

●HIV感染率は、ラテンアメリカとカリブ地域において最も高く、また結核が再び猛威を奮っている。

●ハイチは食糧の純輸入国であり、食糧需要を満たすために輸入に強く依存している。そのため、国際的な食糧と燃料の価格の急上昇は大きな打撃。2010年11月の総輸入必要量は71.1万トンであり、このうち52.5万トンが商業輸入される。これはすなわち、18.6万トンの不足が指摘されるものである。