国連WFP、シリア人への緊急支援をさらに拡大
ダマスカス発
現在、国連WFPはシリア周辺国に逃れたシリア難民80万人と、シリア国内にとどまっている250万人に食糧支援を届けています。国連WFPは毎月、支援対象人数を増やし、今年末までにシリア国内外の700万人のシリア人に支援を届けることを目標としています。戦闘が激しさを増す中、支援の必要は増す一方で、シリア国内外の支援は国連WFPの世界中の支援活動の中でも最大かつ最も複雑で困難なものとなっています。
先日、国連WFPはシリア赤新月社と地域のリーダーを通して、2500人分の食糧をアル・クサイルに送りました。現在、この街から逃れてきた人たちの食糧ニーズを連携機関が調査中で、国連WFPは食糧支援の拡大に備えて食糧を輸送しています。先週は、食糧を周辺の町の学校やテント、地域の家庭に身を寄せている5000人に届けました。
支援の必要がどんどん増している現状を受け、最新の計画では、国連WFPは7月から9月にかけてシリア国内にとどまっている300万人への食糧支援を想定しており、10月から年末までは支援をさらに拡大して400万人に届ける予定です。シリア国内の多くの地域では、主食のパンが著しく不足しており、配給する食糧には自分たちでパンが作れるように小麦粉も含まれます。
さらに国連WFPは、栄養不良の改善と予防のために30万人の子どもに対して、すぐに食べられる特別な栄養強化食品を配る予定です。
シリア国外では、今年の末までに、レバノン、ヨルダン、トルコ、エジプト、イラクに逃れたシリア難民270万人に緊急食糧支援を行えるよう支援を拡大します。シリア難民には主に避難先の商店で使うことのできる食糧引換券が配られます。270万人という目標人数は、現在支援を行っているシリア難民の人数の実に4倍です。また、シリア難民を受け入れている主にヨルダンとレバノンの街では、地元の人々に対しても食糧支援を行うことを予定しています。
国連WFPの活動資金は全て任意の拠出金・募金で まかなわれています。「シリアの人々に対する支援の必要性は増す一方で、緊急に対応する必要がありましたが、現在まで、オーストラリア、カナダ、欧州連合、日本、クウェート、イギリス、アメリカといった国々の政府から拠出金をいただいたおかげで、支援ニーズに応え、そしてこの危機によって影響を受けている周辺国の経済に7000万米ドルを注入することができました。皆さんの支援は命を救っています。」とアーサリン・カズン国連WFP事務局長は述べました。
支援活動を計画通り行うため、国連WFPは9月までに毎週2600万米ドルを必要としています。みなさんのご支援をよろしくお願い致します。