アフリカ支援にリーダーシップを発揮する日本政府から多額の食糧支援
横浜発
日本政府は、難民や国内避難民、その他の社会的弱者に対する食糧支援として、WFP 国連世界食糧計画を通じて総額54億3千万円をアフリカ・アジア19カ国に供与することを決定した。
総額の90%に当たる49億円は、アフリカの18カ国に供与される。対象国と内訳は以下の通り(カッコ内は供与額)。
スーダン(6億9千万円)、コンゴ民主共和国(5億3千万円)、ウガンダ(3億7千万円)、チャド(3億2千万円)、コートジボワール(3億2千万円)、ブルンジ(3億2千万円)、ザンビア(3億2千万円)、ソマリア(3億2千万円)、ジンバブエ(3億2千万円)、モザンビーク(3億2千万円)、ケニア(2億1千万円)、マリ(1億8千万円)、ブルキナファソ(1億6千万円)、エチオピア(1億1千万円)、リベリア(1億1千万円)、ギニア(1億1千万円)、ルワンダ(1億1千万円)、タンザニア(1億1千万円)。
日本は今年5月に開かれる第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)の開催国として、アフリカへの支援を強化している。
玉村美保子WFP日本事務所代表は、「TICAD IVを前にして日本政府から多額の拠出金をいただき、心から感謝いたします。これは、人間の安全保障と平和構築を促進しようとする日本政府が、アフリカ支援においてリーダーシップを強化してきていることのあらわれです。また、食糧と原油価格の高騰によってWFPの食糧調達コストはこの6年間で72パーセントも上昇しましたが、そんな中で今回の拠出金をいただき、大変時宜にかなったものと感謝しています。おかげで、アフリカで最も支援を必要とする人々に支援を続けることができます。」と謝辞を述べた。
WFPは、この拠出金を最も効率よく、かつ効果的に使うために、他の国際機関や国際協力機構(JICA)と連携して事業を行う。
ブルキナファソでは、自給自足程度の農作物しか生産しかできない小規模農家の生産性向上をはかる活動にあてられるほか、HIV/エイズ患者やその家族が収入を得られるようにするためのWFP・ユニセフ・国連合同エイズ計画の共同支援事業に活用される。また、JICAのボランティアが食糧配給および支援対象者のトレーニングをモニタリングする。
また、マリでは、食糧不足に苦しむ農村の子どもたち8万4000人の学習環境を整える事業に拠出金が活用される。WFPやユニセフなどは、より多くの子どもたちが学校に通い、学べるようにするため、学校給食・飲料水の確保・トイレの設置・寄生虫駆除などの一連の取り組みをパッケージ化して、多くの国で普及を図っている。この活動の一環として、今回、WFPは日本からの拠出金を使い、高熱効率コンロを備えた調理場を最大465の学校に建設し、うち半数の学校ではさらに学校菜園づくりや植林活動も支援する予定だ。さらに、拠出金はJICAやADRA(NGO)、マリエネルギー開発・村落電化機構などと連携しての事業にも使われ、建設した設備などについて学校運営者や地域社会が自ら管理していけるように技術的な指導が行われる予定だ。
日本政府はこのような連携を高く評価し、今後、連携の事例をさらに増やすようWFPに促した。
アフリカ以外では、アフガニスタンに5億3千万円が供与された。この拠出金は、紛争や自然災害のため避難生活を送っていた人々が故郷に帰還し、生活を始めるのを支援するために使われる。