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【職員に聞く】JPOが語る食糧支援の魅力~川崎冬樹さん

【職員に聞く】JPOが語る食糧支援の魅力~川崎冬樹さん
, WFP日本_レポート

「災害、紛争時の緊急支援、いつか参加したい」

外務省が若手の日本人を国際機関に派遣する「ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)」の募集が4月1日から始まりました。JPOは国連職員への登竜門と言われ、国連WFPにも職員が多数働いています。ウガンダで難民支援などに携わるJPO職員、川崎冬樹さんに働きがいを聞きました。

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川崎冬樹さん

ウガンダには難民が約140万人おり、7~8割が南スーダンから来た人々です。最近は、1日約2,000人という規模での流入が続いており、ウガンダ政府は対応に大わらわの状態です。また政府は支援期間を原則5年としていますが、難民生活が10年を超える人も増えています。長期間滞在する難民への対応が、政府と国連WFP双方の課題となっています。

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南スーダン難民の子ども(WFP/Claire Nevill)

幸い、国民は難民に寛容で、近くの友人が大変なので助けてあげようという感覚のようです。難民は政府から土地を支給され、茅葺きのような屋根の家を建てたり、小さな菜園を作ったりしています。

国連WFPは、難民がウガンダに到着して間もない最初の1カ月間、調理済み食糧を配ります。その後は月1回、豆やトウモロコシなどを配給します。

難民の子どもたちの教育のため、学校給食も導入しようとしています。私の主な仕事は、この給食導入や難民の自立支援です。まず事前に外部の専門家やNGOと、どの地域にどのようなニーズがあるか調査します。現地政府へ具体策を提案して実施を働きかけるほか、ユニセフが学校を作り国連WFPがそこで給食を提供するといった、他の支援団体との調整もしています。

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(左)典型的な難民の家(右)支援物資を受け取った難民女性(WFP/Claire Nevill)

(国連WFPの魅力)

一つは、食糧を配るという分かりやすい支援の形です。災害などが起きた時、最初に直面する問題は食べ物であり、それを提供することで素直に感謝してもらえるのはありがたいと日々感じています。

もう一つは機動力です。災害、紛争など緊急事態が起きると、国連WFPは基本的に72時間以内に現場に急行し、テントを立てて支援を始めます。JPOは参加できないのですが、正規職員となって経験を積み、現場で役立つスキルを身に着けたら、ぜひ参加したいと思います。

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(WFP/Marco Frattini)

(国連を志す人へ)

国連を志望する若い人が増えたと感じています。私自身は大学卒業後、国連で仕事をするまで8~9年かかりました。しかし商社でベトナムの発電所の開発に関わり、複数の関連企業の取りまとめをした経験は、今とても役立っています。ですから、焦らずに取り組んでほしいと思います。

また国連には、頑張っている若者を応援する風土があります。周りに国連職員がいたら、積極的に相談してみてください。きっと良きアドバイザーになってくれるはずです。

川崎冬樹さんプロフィール

世界食糧計画ウガンダ事務所 プログラム・ポリシーオフィサー。

2008年立命館大学卒業後、商社でベトナムでの発電所建設に携わる。2015年英国サセックス大学大学院修了、2016年国連ボランティアとして国連WFP東ティモール事務所に赴任し、母子栄養改善事業を担当。2016年JPO試験合格。2017年から現職。