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ガザの戦争から2年:人道支援へのアクセスは改善しつつあるが、飢餓は今も深刻

世界食糧計画(WFP)は現地で支援を届けながら、状況に応じて対応し続けている。
, WFP Staff
A late middle aged man holds up a small child against a background of rubble in Gaza
アブデルケレムは、ガザ市の自宅跡の瓦礫のそばで赤ちゃんのゼインを抱いている。彼らの家族は元々ジャバリア出身で、これまでに17回も避難を余儀なくされてきた。ゼインの栄養不良は、避難のたびに悪化している。 Photo: WFP/Jaber Badwan

ガザの戦争が始まってから2年、人道的状況は依然として悲惨なままです。人びとの命、住まい、生計が破壊され、食料、住居、水、医薬品へのアクセスが極度に制限される中、地域社会全体が計り知れない犠牲を強いられています。

この2年は、人道支援に従事している関係者にとっても過去にないほどの深刻な影響を与えています。

この前例のない状況下でも、WFPは戦争中もずっと現地にとどまり、状況の変化に応じて支援活動を柔軟に調整しながら、新たな支援の形を試行し、飢餓の拡大を食い止めようと尽力しています。

その結果、この数週間でガザの食料安全保障に一定の進展が見られています。現地からの最新情報を以下にまとめます。

  • 数か月前まで、人びとは何日も食事ができない状況でしたが、現在ではより多くの家族が毎日食事をとれるようになっています。
  • 7月には約9割の人びとが食料へのアクセスに困難を抱えていましたが、9月にはその割合が半分にまで減少しました(87%→44%)。
  • WFPはこの2年間の危機の間、現地にとどまり、絶えず変化する状況に対応してきました。
  • 毎日食料を届け、栄養支援プログラムを通じて最も脆弱な人びとに手を差し伸べています。
  • WFPは14万世帯にデジタル支払いを提供しており、次回は主にガザ北部から避難した人びとを中心に、さらに15万人への支援を目指しています。
Girl and a boy in Gaza look dishevelled as they share something from a packet
6歳のヤスミンは、3歳のレダとおやつを分け合っています。彼らの家族が激化する空爆の中でガザ市から避難する際に持ち出した、わずかな持ち物に囲まれて。Photo: WFP/Maxime Le Lijour
  • 過去2か月間で、WFPはガザへの食料供給輸送隊の約3分の1を担い、危機に瀕した地域へ食料支援を早急に届けることで、現地の市場価格の引き下げにも貢献しました。
  • 7月には25kgの小麦粉が340米ドルだったのが、8月末には50米ドルまで下がりました。
  • こうした前向きな成果も、安定した安全な環境がなければ持続できません。
  • 新たな強制移動が進展を脅かしています。8月以降、45万人以上がガザ北部から南部へ避難しましたが、最も脆弱な人々の多くは、移動手段もなく取り残されたままです。
A makeshift street furnace burns as a person takes bread out in a destoryed environment
 空爆で損傷を受けたヌセイラトの自宅で、家族や近隣の人びとにパンを焼くため、手作りのかまどの手入れをするキタムさん。Photo: WFP/Maxime Le Lijour
  • 9月12日にジキム国境検問所が閉鎖されて以来、ガザ市と北部地域は食料支援からほぼ遮断された状態にあります。
  • WFPは北部へのアクセスの迅速な再開を強く求めています。ガザ市周辺ではすでに約50万人が「飢きん状態」と分類されています。
  • 人道支援は後退ではなく、前進しなければなりません。ガザには大規模な食料と支援が必要です。
  • 停戦こそが、十分な食料をガザに届け、公平に分配し、最も脆弱な人々に支援を届ける唯一の方法です。前回の停戦時には、WFPが1日で600台のトラックを送り込み、飢きんの拡大を食い止めました。
  • WFPには再びそれを実現する力があります。専門知識、スタッフ、食料を備えており、現在の備蓄でガザ全域を約3か月間支えることが可能です。
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