ガザ停戦:WFPが人道回廊の継続的な開放を呼びかけ
WFP国連世界食糧計画は、100万人以上に支援を展開する準備を整えています。そのためには、緊急に資金が必要です。
, WFP Staff
WFP国連世界食糧計画は、水曜日(15日)に発表された停戦合意を歓迎します。しかし停戦は、ガザ地区で飢えと絶望に苦しむ人々に手を差し伸べるための始まりであり、終わりではありません。WFPは今後6か月間でこの地域で緊急支援を必要とする人々に支援を届けるために、3億米ドルが必要です。
- WFPはすべての当事者に対し、さらなる戦闘を停止し、安全な人道的アクセスを確保するためにできる限りのことを行うよう求めています。この戦争により200万人以上の人々が完全に食料支援に依存し、住む家と収入を失いました。
- すべての国境検問所が開かれ、安定して機能することが必要です。また人道支援チームがガザ市内を自由かつ安全に移動し、支援を必要とする人々に届けることができる環境も必要です。
- これらの条件が整えば、WFPはガザ地区で100万人以上に命を救う食料を提供するため、支援を拡大する準備を整えています。
- ガザ地区のニーズは非常に大きく、復興には200万人に命を救う支援を届けるために、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)を含むすべての関係機関が一丸となり、全面的に人道支援を実施していく必要があります。
人道支援
WFPは、国境沿いとガザに向かう途中に、3か月間で100万人以上を支援するのに十分な食料を配置しています。UNRWAも別途、100万人を支援するための物資を確保しています。WFPからの物資にはすぐに食べられる食料や、小麦粉、温かい食事用の材料、栄養補助食品が含まれています。
- WFPはガザ地区の経済再建に取り組んでいます。地元の商店を支援し、人々の選択の自由を確保するため、WFPは現金と食料引換券による支援を(商業活動と現金の流通が可能になったら)10万人に拡大する計画です。
- 操業を再開できる工場、小麦粉の製粉所、残っている商店への支援も行います。
- 専門チームを活用し、WFPや人道支援パートナーのために、物資輸送を迅速化するための主要な道路や供給ルートの修復や瓦礫の撤去を始めました。
ガザ地区の人々の飢餓状況を迅速に改善するために、国際社会による資金拡大が必要です。
- WFPは毎月約1,600台のトラック(食料30,200トン相当)で、ガザ地区にいる100万人以上の人びとに食料を配給できます。支援が必要なすべての人々に届けるためには、UNRWAの支援が不可欠です。WFPはUNRWAの食料支援の強化に尽力しています。
- ガザ地区に入るための、また、ガザを横断する移動の迅速な調整と円滑化も重要です。特にガザ南部と北部の自由な移動が求められます。すべての当事者は、ガザ地区での物資と人道支援者の安全な通行を確保する必要があります。
- ガザ地区での商業活動が可能になり、住民が現金を利用できるようになることで、新鮮な食料や基本的な生活用品を購入できる環境を整えることが求められます。
- 停戦条件は尊重されなければなりません。
もし食料やその他の物資が整い、地元の銀行が機能するようになれば、WFPは人々に現金を支給し、食料や生活必需品を購入できるよう支援します。
- WFPの目標は即時の食料支援に加え、地元の食料生産やパン工場を再稼働させ、何千人もの子どもたちに栄養補助食品を提供することです。
- 支援を届け、有意義なインパクトを生み出すために、WFPは国際社会からの資金を緊急に必要としています。支援規模を拡大し、人道支援者の活動の維持が可能となります。
- ガザ北部は包囲されていたことにより、2か月以上にわたってほとんど食料が届いていません。冬の寒さと雨は、人々の生存能力をさらに低下させています。
- ガザ地区の食料安全保障は悪化しており、人々は日に日に弱っています。生鮮食品(果物、野菜、肉、魚)はほとんどなく、商店は空っぽで、パン工場は燃料や小麦粉が足りないために操業できない状況です。
- ガザ地区での人道支援活動は継続的な課題と困難に直面しています。国際人道法の原理が無視されており、人道支援者の安全や活動そのもの、そしてガザ地区の人々がますます危険にさらされています。
- WFPおよび人道支援パートナーは、すべての当事者に対して国際人道法に基づく義務を遵守し、支援物資の安全な通行を許可するよう強く求めます。
WFPの活動の最新情報
- 今年に入ってから、WFPはガザ地区で30万5千人、ヨルダン川西岸地区で17万7千人しか支援できていません。
- ガザ地区内への物資供給が非常に難しく、人々は温かい食事か、大幅に減った配給を受けとりました。
- WFPはガザで34,683食分のすぐに食べられる食料を15万1,840人の避難民に届けました。支援対象の167万5000人のうち、無事に受け取ることができたのは10%未満です。ガザ市内では、各家庭に食料パッケージ2袋が配布されました。
- 62のキッチンからガザ全体で25万人の避難民に温かい食事が提供されました。
- 物資供給不足のため、南部および中部のパン工場は1か月以上操業していません。ガザ市内では、5つのパン工場が営業しているものの、燃料不足のため生産量を50%削減しており、残りの燃料はあと2~3日しか持たない見込みです。
- 12月にはWFPがガザに1万4,000トン以上の食料を輸送しましたが、治安の悪化や略奪によって支援が遅れ、すでに1月分の備蓄が尽きてしまいました。より多くの人々に支援を届けるため、WFPは配給量をさらに減らして140万人に届けましたが、その多くは1袋25kgの小麦粉しか受け取ることができませんでした。
サプライチェーン
- WFPはこれまでにのべ11,550台のトラックを使い、ガザに18万1,000トン以上の食料を輸送しました。1月現在では、166台のトラックが2,257トンの食料をガザに輸送しました。
- 現在、南部および中部に向かう3つの国境(ケレム・シャロム、キスフィム、ゲート96)は開かれていますが、武装集団による略奪や援助物資を輸送している車両への攻撃など、安全保障上の問題によって人々の出入りは非常に限られています。北部ではウェスト・エレズ(ジキム)国境は稼働していますが、ガザ市内への供給のみに使用可能で、北部地区へのアクセスは一貫して拒否されています。
- 約8万トンの食料がガザ市外または向かう途中(ヨルダン、エジプト、アシュドッド)で待機しており、これで100万人以上に3か月間の食料供給が可能です。