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スーダンの学校給食:コロナウイルスの前とそれ以降

, WFP日本_レポート

国連機関と世界銀行が発行した、学校再開のためのガイドライン

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学校閉鎖前の1月に国連WFPチームに手を振るスーダンのバラにあるメギセイバ村の女子生徒たちPhoto: WFP/Gabriel Valdes

国連WFPの運転手であるハムザは、恐ろしく路面状態が悪い道に4輪駆動車を走らせます。しかし場所によっては砂の深さが50センチもあり、道を横滑りして立ち往生してしまう場所もあります。

私たちはスーダンの北コルドファン、エル・オベイドのバラにある村、メギセイバに到着し、村の唯一の学校に向かいました。この約4,200万の人口を抱える国で、新型コロナウイルスへの対応として学校が閉鎖になる前の1月のことです。

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子どもたちの歓迎を受ける国連WFP運転手のハムザ(左から3人目)と同僚たち(ソーシャルディスタンスの提唱前)Photo: WFP/Gabriel Valdes

国連WFPの協力パートナーや州政府の代表者とともに、コミュニティ全体が私たちを歓迎してくれました。子どもたちは素晴らしいパフォーマンスで私たちを迎えてくれました。女子生徒たちは歌-結婚して学校をやめたくない、その代わりに学校に残って大学に行く機会を与えてほしいという願い-を歌います。母親たちは女子生徒の周りでダンスを始め、それから男子生徒と長老たちがすぐに参加します。

「男の子は父親の農場の手伝いで、

女の子は結婚して学校に来なくなることが多いのです。」

学校の生徒数は260人と、国連WFPプロジェクトが始まった当時よりもかなり多くなっています。

スーダンの多くの村では、子どもたちが6年生、7年生、または8年生まで進級する機会はそれほど多くありません。「男の子は父親の農場の手伝いで、女の子は結婚して学校に来なくなることが多いのです。」と国連WFPスタッフのモハメド・エルティガーニは言います。

スーダンの学校給食は、親が子どもを学校に行かせるための強い動機付けになります。しかし、新型コロナウイルスの蔓延を食い止めるための対策の一つとして、9月まで学校は休校となりました。国連WFPは新型コロナウイルスの危機における児童の食糧と栄養必要量に対応するため、国連WFPが支援する学校に在籍する約110万人の生徒を対象として、現在11の州で学校給食の代わりに自宅持ち帰り用の食料支援を行っています。

国連WFPはまた、9月から新たに4つの州で512,000人の小学生に支援を行うことを計画しており、年末までにプログラムがカバーする子どもたちの総数を160万人以上にすることを目指しています。

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学校給食のおかげで女の子は学校に通うことができ、結婚して学校をやめなければならないなどの重要な問題に目を向けることができるのです Photo: WFP/Gabriel Valdes

新型コロナウイルスの危機が世界の貧困層の間で飢餓のレベルを押し上げるなか、WFP 国連世界食糧計画とユニセフは、学校閉鎖により学校給食を食べられなくなった3億7,000万人の子どもたちの栄養と健康への壊滅的な影響を防ぐために、各国政府に働きかけています。

今年6月、ユネスコ、ユニセフ、国連WFP、世界銀行は、全世界で13億人近くの児童が学校閉鎖により影響を受けるなか、学校の安全な再開に関する新たなガイドラインを発表しました。

ユニセフのヘンリエッタ・フォア事務局長は、「不平等の増大、健康状態の悪化、暴力、児童労働、児童婚は、学校に通えなくなる子どもたちにとって長期的な脅威の一部にすぎません」と述べています。「子どもたちが学校を離れている期間が長ければ長いほど、戻ってくる可能性は低くなることを私たちは知っています。安全に学校の再開ができるようになったときにこれを最優先事項としない限り、私たちはおそらく教育の利益の壊滅的な後退を目にすることになるでしょう。」

栄養価の高い食品は、途切れることなくいつでも利用できるようにしておく必要があります。 国連WFPのエル・オベイド地域事務所のプログラム責任者であるアシフ・ニアジは、次のように強調しています。「これらの目標を持続可能な方法で達成するには、ライフサイクルアプローチ、つまり栄養と生活全体にわたる補完的な活動の組み合わせが必要です。」

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メギセイバにある学校給食プロジェクトのサイトを訪問する、国連WFPのプログラム責任者アシフ・ニアジ(ソーシャルディスタンスの提唱前)

バラでは、国連WFPは学校給食と生産的セーフティネット(PSN)プログラムをコミュニティで実施しています。PSNの農場は、学校給食から得られるプラスの結果を補完するだけでなく、能力開発の取り組みを通じて研修を受け、市場での製品販売によって経済的に自立した母親たちの収入源としても機能しています。

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学校給食は母親たちに力を与え、家庭の経済的安定をもたらします Photo: WFP/Gabriel Valdes

家族をさまざまな活動に参加させることで、国連WFPは地域社会や家族の中に回復力のある自立可能な環境を整え、学校への定着率を高めることにもつながっています。

国連WFP のスタッフであるサルワ・ジャラブは話します。「自立した母親がいて、経済的に安定した家庭では、娘や息子に学校を中途退学させる必要がありません。中退者が減るということは、学校に通う子どもたちが増え、明るい未来が生まれ、生活が改善されることを意味します。」

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メギセイバのPSN農場で働く女性たち Photo: WFP/Gabriel Valdes

子どもたちが成長するにつれ、彼らは知識を広め、メギセイバのような遠隔地の村の回復力を高めていきます。団結力と協調性を持って活動を実施することで、コミュニティ間のダイナミックな変化が生まれるだけでなく、長期的な持続可能性と回復力が生まれるチャンスも訪れるのです。スーダンの国連WFPは、エル・オベイドの各コミュニティでの活動を組み合わせることで、食料の確保・入手の4つの柱である「利用可能性」「アクセス」「利用」「安定性」のすべてに取り組み、飢餓ゼロを目指しています。