「私の人生を変えてくれる」生鮮食品引換券
ククラ村において国連WFPが妊婦・育児中の母親向けに開催した料理のデモンストレーション。それをメキア・アフメッドは注意深く見ています。
メキアが集中して見ているのは料理のデモンストレーション。これは国連WFPがクララ村で妊産婦を対象に開催したものです 。
ここは、エチオピア北部、アムハラ州セミアン・ウォロ地区の州都ウォルディア。30人を超える妊婦、育児中の母親たちが、毎日の食事の新しい調理方法を学ぶために集まっています。
これはすべて、国連WFPの生鮮食品保証プログラム試験運用の例です。このプログラムは、とりわけ、妊婦と二歳以下の子どもを育児中の母親たちを対象とし、食生活の多様化を促進することによって、アムハラ州における発育阻害の問題に取り組むことを目的として計画されたものです。
120を超える村落を対象とした試験プログラムが実施されたこの場所は、エチオピア国内において最も発育阻害率の高い地域とされてきました。
母親たちは、子どもたちと、そして彼女たち自身が食べ物が持っている栄養を無駄なく摂取できるよう、食料について、そして調理の仕方についての実際的なレッスンを受けました。
多くの家庭では、従来、焼いたテフ(イネ科の穀物)や小麦を、レンティル(ハーブの一種)、豆類、エンドウから作られたソースを添えて食べており、果物や多様な野菜、また、他の栄養価に富んだ食品から得られる、栄養的価値については注意が払われてきませんでした。
「私の息子は体重を増やし始めています」
メキアのような参加者は、デモンストレーションから多くのものを学び、プログラムの恩恵をすでに認識していると語ります。
「私の息子はすでに体重を増やし始めています。彼は非常に健康で、病気もしていません」と彼女は説明します。
本プログラムは、受講者の家庭に対し、 携帯電話を通じた送金を毎月行っています。このことにより、各家庭が、国連WFPが協定を結んでいる小売業者から直接食料を購入することが可能となっています。
国連WFPの各コミュニティでの健康と栄養教育に重点を置いた支援活動は、すでに各家庭の健康状態を改善し、病気にかかりにくくなったという結果を出しています。
もう一人の参加者である、デメク・ファンタハンは、この支援がなければより栄養価の高い食料を子どもに与えることができなかったと語ります。
「私は専業主婦で、大工である夫の収入では、栄養価の高い食料を購入するのに十分ではありませんでした。しかし、国連WFPのおかげで、私は現在、生鮮食品保証プログラムに参加し、人生が変わりました」
現在、第二子を妊娠して5か月であるデメクは、卵、牛乳、野菜や果物といった栄養価の高い食品をメニューに加えることによって、食生活を向上させることの重要性をすでに学んでいます。
「私の携帯電話には、必要とする食品を購入できるだけのお金がチャージされています」と彼女は付け加えます。
寛容なサポートが、実質的な違いを作り出す。
本プログラムは1年の試験プログラムとなっていますが、北ウォロ地区保健局の副局長である、フェレク・メコネンは、プログラムがより拡大することを望んでいます。
「我々は本プログラムがすべての地域に広がっていくことを望んでいます。そして、本プログラムが、この土地における子どもたちとその母たちの健康状態において、素晴らしく、また迅速な結果をもたらしてくれるものとの楽観的な期待を抱いています」