Skip to main content

食料と連帯で カメルーンの最北から避難した人々の悲しみを救え

紛争と飢餓が絡み合う中、国連WFPはナイジェリア難民、国内避難民、そして彼らを受け入れている脆弱な立場に置かれたコミュニティを支援しています。
, WFP日本_レポート
0*YLlZj6rThnrTdHf5.jpeg
夫が殺され、家が焼失した後、エリザベスは7人の子どもたちを連れて避難してきました。Photo: WFP/Glory Ndaka

カメルーンの最北地域のマヨーサヴァ地区にあるマグデメという小さな村で生まれた48歳のハワ・エリザベスは、2015年に自宅から避難しました。彼女は今でもその時の記憶を涙とともに語ります。

「目の前で夫が惨殺されたのを見て忘れられる人はいないでしょう。」と、エリザベスは涙を流します。

7人の子どもたちのためのお昼ごはんを作りながら、彼女は自分の体験を語ります。時折涙を拭いて気持ちを落ち着かせ、話を続けます。「自分の家が炎に包まれるのを見たとき、そして空を覆う真っ黒な煙を見たときの記憶を消し去ることはできません。私と子どもたちがようやく安全になった今でも、長い間毎晩その光景がよみがえってきました。」

0*3b7hKeWvJeuOlVCn.jpeg
5歳の息子ベンジャミンに手伝ってもらいながら、エリザベスは国連WFPのモバイル現金送金で購入した食材を使って料理をします。Photo: WFP/Glory Ndaka

カヌリ語で「悲しみ」を意味する「ワハラ・ムベイ」という言葉を使って、エリザベスは夫、農地、牛、そして唯一の家を失った後の自分の状態を表現します。

「私は深い悲しみにありました。持っていたわずかなお金を使い果たした時、一番下の子はわずか8ヶ月で、もはや私は子どもたちを養うことができませんでした。子どもたちに何を食べさせるの? 教育はどうなるの? 私は毎日自問自答していました。私たち家族は絶望の淵に立たされていました。」彼女は話します。

何千人もの国内避難民を受け入れている小さなコミュニティ、ウロの人道支援団体のおかげで、彼女は新しい家を手に入れました。

「食料支援によって救われました」

エリザベスの人生を救ったのは、人々が当たり前のこととして捉えがちなもの、「食料」だったのです。

モバイル現金送金で毎月受けている食料支援により、エリザベスは子どもたちに食事を与えることができるようになりました。

「人はいつも身近に食べ物があるとき、その価値を本当に認識することはありません。」彼女は語ります。「食料支援は私を救ってくれました!私のストレスや心配事のレベルを半分に減らしてくれました。私の子どもたちはついに信頼できる食料を手に入れたのです。」

0*SQwHEUszJEuKq3Qo.jpeg
エリザベスは、欧州連合、USAID、英国からの財政支援で開発された国連WFPモバイルキャッシュを使用して購入した食料の袋を開けます。Photo: WFP/Glory Ndaka

エリザベスにも友人ができました。31歳の母親であり、モコロ地区で国連WFPの食料支援を受けている国内避難民の代表でもあるキャサリン・ンダセガイです。キャサリンの人生観と勇気は、彼女に新たな一歩を踏み出すきっかけとなりました。

「キャサリンとの出会いは私の人生を変えるものでした。私より17歳年下の女性が、これまで経験してきた数多くの苦難にもかかわらず、こんなに強くなれるなんて信じられませんでした。」

キャサリンはナイジェリア国境沿いの村アムチデから避難してきた後、モコロに6年間住んでいます。村のすべてを失った彼女は、新たなスタートを切ることを迫られました。それ以来、夫からの連絡はありません。

0*dJND9lXr5a0hm4ft.jpeg
一緒にランチを楽しむエリザベスと子どもたち Photo: WFP/Glory Ndaka

「私は子どもたちのために強くなければなりません」キャサリンは明るい声で語ります。「それが良いことなのか悪いことなのかはわかりませんが、私には悲しむ時間はありませんでした。 私は25歳で、夫もお金も家もありませんでした。私はす速く考え行動に移す必要がありました。国内避難民のためのキャンプに住むことは、私が子どもたちのために思い描いていた生活ではありませんでしたが、国連WFPの食料支援が受けられ、少なくとも空腹を我慢する必要がなくなったことが、私が子どもたちのために強くなり続けることができた理由の1つでした。」

女性同士の助け合い

キャサリンは、国連WFPの食料支援を受けている国内避難民の代表を務める傍ら、モコロ地域のいくつかの地元NGOにボランティアとして参加し、翻訳や地域に活力を与える活動に従事しています。彼女は地元のNGOの支援を得て、この地域の国内避難民の女性たちが自分たちの経験を共有し、助け合いやアドバイスを受けるための安全な空間を提供するグループを立ち上げたのです。

このグループは、毎月最後の日曜日にエリザベスの家で集会を行っています。新型コロナウイルスの大流行のため、集会は中断されていますが、メンバーは助けや相談が必要な時にはお互いに連絡を取り合っています。

「私は毎日多くの女性と話をしています 彼女たちは自分の話や直面している課題を話してくれますが、私は一人の女性に過ぎず、自分自身の経験を持っているだけで、正式なトレーニングを受けたわけではありません。毎月開催される集会では、全員がお互いに耳を傾け、学ぶ機会を持てます。」

0*0X8cwiTRHTMAOHhV.jpeg
新型コロナウイルス大流行前のエリザベスの自宅で一緒に撮影したキャサリン(左)とエリザベス(右)。 Photo: WFP/Glory Ndaka

それ以来、エリザベスとキャサリンは親友となり、彼女と過ごした3年間をエリザベスは神様からの祝福と考えています。

「ここまで頑張ることができて満足しています。時々振り返ると、悲しみに支配され、自暴自棄になったこともあります。しかし今日、多くの支援のおかげでこれらの課題を克服できたことを私は誇りに思っています。」

国連WFPの支援は依然として重要です。欧州連合、英国外務・英連邦省、米国国際開発庁(USAID)からの支援のおかげで、国連WFPはカメルーンの最北地域で、エリザベスやキャサリンのような最も弱い立場に置かれた人々に、毎月14万人分以上の貴重な食料支援を提供しています。

あなたのご支援で、最も脆弱な人びとに「食料」を!

一人でも多くの命を救うために、国連WFPの緊急食料支援へのお力添えを、どうぞよろしくお願いいたします。

<温かいお気持ちに感謝いたします>こちらからご寄付をお願いします