三浦雄一郎さん 国連WFP協会親善大使 就任記念トークショー
3月12日(木)に東京渋谷の国連大学にて、プロスキーヤーで冒険家の三浦雄一郎さんの国連WFP協会親善大使任命式を行うと共に、就任記念トークショーを開催しました。トークショーでは国連WFP協会顧問に就任した雄一郎さんの次男・三浦豪太さんにも登壇いただき、本田亮国連WFP協会理事のナビゲートのもと行いました。

雄一郎さんは、家族で昔アフリカのキリマンジャロを訪れ、その時に出会った農家の人々や子どもたちが極度に痩せていたこと、そして自身が体験した終戦後の飢えの経験等が、登山の度に思い出され、常に飢えに苦しむ人たちを助けたいと思っていたと話し、そのことが今回、親善大使として活動していこうと決意された原点だと語りました。

ネパール人の女性登山家で、国連WFPの学校給食支援で育ち、7大陸最高峰踏破も果たしたニムドマ・シェルパさんに2013年に会った雄一郎さんは、「給食のおかげでチャンスをつかみ夢を叶えたニムドマさんに会い感銘を受けた」と話し、また豪太さんは、「女性登山家としてニムドマさんはネパールの女性、特にシェルパ族の女性たちに勇気を与える存在になっていると感じる」と話し、学校給食支援が児童や生徒の夢をつなぐこと、そして、社会を変えていく力になっていることが語られました。

さらに豪太さんは、東日本大震災に際して、支援物資を届けに被災地を訪れたところ、ライフラインはもちろん無く、道路がガタガタな惨状を目にして呆然とし、陸の孤島になっていた被災地では、「届ける」ことが非常に難しかったと経験を語り、国連WFPの物資輸送の技術の高さを知った時、助けたい気持ちを叶える手段がここにはあると感じたと、顧問として関わりたいと強く感じたきっかけを語りました。
現在82歳の三浦雄一郎さんは、今後も挑戦したいこと、やりたいことが多くあると語り、そのためには、健康で元気であることと明言されました。自身の夢、そして世界の飢餓に苦しむ人々の夢を叶えるため、今後、雄一郎さんは親善大使として、また豪太さんは顧問として、国連WFPの活動地を実際に訪れての視察や、日本の人々に飢餓について、そして国連WFPについて知っていただく機会などに積極的に関わっていただきます。
「飢餓をなくすということは、エベレストに登るようなこと」とナビゲーターの本田理事の言葉でトークショーは締めくくられました。「一歩ずつ諦めず進める」ことが夢を叶える方法だと語る雄一郎さん。今後、国連WFPと共に一歩ずつ飢餓のない世界を目指して歩んで行っていただきます。