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「最初の1,000日間」の重要性 ~フィリピンでの母子栄養支援~
, WFP日本_レポート

妊娠から2歳の誕生日を迎えるまでのおよそ1,000日間、この期間の栄養改善を促すため、国連WFPは、各国政府とともに妊娠中及び授乳中の母親と子どもに対して栄養支援を行っています。支援国のひとつ、フィリピンの南部地域では、2015年以来1万1,000人以上の母子に栄養支援を実施しました。

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©WFP/Raihana Datuharon

子どもたちの一生を左右する重要な期間、それがお母さんの妊娠から子どもの2歳の誕生日までの「最初の1,000日間」です。この時期に栄養不良が続くと、身体・知能の発育に遅れが生じるだけでなく、精神的・身体的障害など、一生取り返しのつかないダメージを受けることもあります。栄養不良は子どもたちの学習能力の低下を招き、将来的には収入能力にまで影響を与えます。また、健康な子どもたちに比べ、病気による死のリスクも高くなります。

南部フィリピンのカサラヤン区に住んでいるサンドリさんには11カ月の娘アスマちゃんを含む4人の子どもがおり、現在5人目を妊娠中です。しかし、トウモロコシと米を栽培している夫の収穫がエル・ニーニョによって引き起こされる気候変動により減少してしまったため、年間で4,000ペソ(約63米ドル)の収入しか手にすることができず、親戚からお金や食べ物を借りてしのいでいました。

危機的状況にあるお母さんと子どもを支援するため、国連WFPは村の保健センターを通じて栄養強化食品などを提供、サンドリさんとアスマちゃんは栄養強化食品を毎月受け取っています。「栄養強化食品を食べ始めて2週間で、アスマの食欲と集中力が増しました」とサンドリさんはその変化を語ります。

保健センターでは、栄養強化食品のほかにも検診、身長・体重測定、予防接種や乳幼児の栄養についてのカウンセリングを受けることができます。さらに、保健センターに通えない家族に対しては、医療従事者による家庭訪問も行っています。サンドリさんは、「保健センターで、子どもたちと、私のような妊婦が栄養状態を定期的に確認することの大切さや、栄養不良になった場合の悪影響などについて教わりました。今、私は家族が健康でいられるよう、きちんと保健センターに通うようにしています。」と話してくれました。

国連WFPは「最初の1,000日間」の栄養改善を促し、子どもたちの健やかな成長と、それを守ろうと奮闘するお母さんたちを支援しています。 国連WFPの母子栄養支援へ、皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。