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マリの不安定なセグー地域で、国連WFPと国連パートナーが女性たちに自立支援のためのツールを提供

西アフリカのマリでは、紛争と気候変動の衝撃によって飢餓と栄養不良が深刻化していますが、今ではよりたくましく対応ができる母親が増えてきました。
, Myrline Sanogo-Mathieu
国連WFPとFAO、ユニセフとの共同プログラムの一環として、マリ中部で村の女性たちに健康メッセージを広めるボランティア活動を行うアトウマタ・ニマガさん。Photo: WFP/Myrline Sanogo-MathieuAtoumata Nimaga volunteers to spread health messages to village women in central Mali, as part of a joint WFP programme with FAO and UNICEF. Photo: WFP/Myrline Sanogo-Mathieu
国連WFPとFAO、ユニセフとの共同プログラムの一環として、マリ中部で村の女性たちに健康メッセージを広めるボランティア活動を行うアトウマタ・ニマガさん。Photo: WFP/Myrline Sanogo-Mathieu

暑い水曜日の午後、マリ中部のドテンブグー村にある地元の保健センターに到着した赤ちゃんを背負った女性たちを、アトウマタ・ニマガさんは笑顔で出迎えます。

つい最近まで、この24歳の3児の母は、当時まだ胎児だった彼女の子どもが危険にさらされるほどの深刻な飢えに苦しんでいました。その後、WFP国連世界食糧計画(国連WFP)による食料支援が始まり、妊娠中も栄養価の高い食事をとることができるようになりました。

アトウマタさんは、母乳で育てている赤ちゃんについて、「自分の娘が元気になっているのを見ると、心が安らぎます。この同じ気持ちを他の人にも知ってほしいのです。」と言います。

アトウマタさんは現在、地元のボランティアリーダーであり、共同プログラムの一環として、他の村の女性たちに健康的な食生活について教えています。国連WFPは、国連のパートナーである国連児童基金(ユニセフ)および国連食糧農業機関(FAO)と協力して、気候変動や人道的災害による悪影響を緩和できるよう家族を支援しています。

マリのドテンブグーで栄養強化雑穀粥を作る母親たち。 Photo: WFP/Myrline Sanogo-Mathieu
マリのドテンブグーで栄養強化雑穀粥を作る母親たち。 Photo: WFP/Myrline Sanogo-Mathieu

彼女が栄養と衛生に関する指導をする中、他の母親たちは、地元の雑穀で作られた栄養強化粥の作り方を実演し、甘い香りが漂ってきます。保健センターのトタン屋根の下のベンチに座っている母親たちに、一杯になったカップが渡されます。

衛生、栄養、農業を改善する取り組みを盛り込んだこの国連共同プロジェクトは、紛争が絶えないマリのバンディアガラとセグー地域で展開されています。このプロジェクトは、3万8,000人以上の女性を開発プロセスの中心に据え、多くの女性が直面する課題に取り組むための知識とツールを提供することを目的としています。

「このプロジェクトは、農民、起業家、協同組合、管理委員会、その他の社会団体のメンバーとして、女性の力として認めています」と、エリック・パーディソン国連WFPマリ代表兼事務所代表は言います。

急増する子どもの栄養不良

マリの他の地域と同様、セグー地域は地域間の暴力によって荒廃し、後に残ったのは広大な焼け野原で、何十万人もの人びとが村からの避難を余儀なくされています。

また気候変動により干ばつの頻度や雨の激しさが増し、地元の農業や牧畜のコミュニティを蝕んでいます。この2つに起因する飢餓が大きな原因となって、マリの半数の家庭は栄養価の高い食料を手に入れることができなくなっています。

マリの子どもたちの間では、WHOの緊急基準値を超える急性栄養失調が急増しています。 Photo: WFP/Aboubacar Sidibe
マリの子どもたちの間では、WHOの緊急基準値を超える急性栄養不良が急増しています。 Photo: WFP/Aboubacar Sidibe

国全体では、5歳未満児の11%以上が急性栄養不良に苦しんでおり、これは世界保健機関(WHO)の緊急基準値を超えるレベルです。今年発表された専門家の調査によると、セグー地域では、5歳未満児の15%が、妊娠中や授乳中の母親とともに栄養不良の危険にさらされています。この半乾燥のサヘル地域では、人びと、家畜、作物にとって不可欠な給水所を利用できる人口は半数以下です。

ドテンブグー村やその他の村では、国連WFPはFAOと協力して、女性農民が土地や種子、肥料などの農業資材を平等に入手できるよう支援しています。国連WFPは地域社会と協力し、農民により良い農牧実践を教えるフィールドスクールを設立し、FAOは種子を供給しています。

国連WFPとユニセフはまた、地元の女性たちから成る自主的なグループと協力して、良好な栄養、母乳育児、手洗いのような衛生習慣の利点について、コミュニティで毎週啓発セッションを開催しています。さらに2つの機関は、栄養不良を発見し治療するための設備、医薬品、訓練を地元の保健施設に提供しています。

国連WFPとFAOは、マリにおける飢餓の主要因である気候変動に対する強靭性を高めるため、女性農民を支援しています。Photo: WFP/Myrline Sanogo-Mathieu
国連WFPとFAOは、マリにおける飢餓の主要因である気候変動に対する強靭性を高めるため、女性農民を支援しています。Photo: WFP/Myrline Sanogo-Mathieu

「私たちは、弱い立場にあるコミュニティが栄養状態を改善し、適切な保健サービスを利用し、生計の向上を支援するために、栄養状態、衛生状態、健康、食料安全保障を統合した介入を優先しています」と、アイシャ・モルガイ国連WFP栄養専門家は話します。

ドテンブグーでは、ボランティアの保健指導者であるアトウマタさんが一軒一軒訪ね歩き、女性たちが学んだ良い習慣を守っているかどうかをチェックしています。「このことが、私が地域社会に変化をもたらし続ける原動力になっています」と彼女は言います。

未来への種

セグー地域のボイディ地区保健センターで、アリウ・サマケ医師は、良好な衛生状態、栄養、農業支援という補完的アプローチが成果を上げていると語ります。国連の共同プログラムのもと、中等度急性栄養不良の治療を受けた地域の子どもたちのほぼ全てが完全に回復し、女性の出産前診察への参加率も向上しました。

「栄養不良と闘うには、こうした活動と現地の栄養食品を組み合わせることが不可欠です」とサマケ医師は言います。

セグー地域のもうひとつの村、カンバ村では、母親のアコウマタ・サッコさんが4人の子どもたちの健やかな成長を見守っています。彼女の子どもたちの成長には、適切な栄養指導と国連WFPの支援も一役買っています。

数年前、アコウマタさんが妊娠していたとき、彼女の家庭は貧しすぎて植え付け用の種さえも買えなかったので、彼女の夫は仕事を探すために隣国に出稼ぎに行きました。

「国連WFPの食料支援は、まさに願ってもないタイミングでした」と、自立支援プログラムの一環であったこの支援についてアコウマタさんは話します。

マリ人の母親アコウマタ・サッコさんとその子どもたちも、栄養と自立支援プログラムの恩恵を受けています。Photo: Aboubacar Sidibe
マリ人の母親アコウマタ・サッコさんとその子どもたちも、栄養と自立支援プログラムの恩恵を受けています。Photo: Aboubacar Sidibe

彼女は、2歳未満の2人の子どものために、3か月分の栄養強化小麦粉の配給を受けました。また、彼女は約160米ドル相当の国連WFPの現金支援も受けました。彼女はその支援金で豆の種を買い、豆からフリッターを作って売っています。

「私の稼ぎで、子どもたちを養うことができるようになりました」とアコウマタさんは笑顔で言います。

この国連共同プログラムは、カナダからの資金援助によって実現しました。

 

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