ホンジュラスって、どんな国?
皆さんは国連WFPサポーター、ÜSAさんが視察に訪れた中南米・ホンジュラスのことをご存知ですか?地球のほぼ裏側で、訪れる日本人も少ないこの国について、また国連WFPが現地で行っている支援活動について、それぞれご紹介します。
ホンジュラスは日本の3分の1ほどの国土を持ち、人口は910万人。国民の約6割が貧困状態にある、中南米の最貧国の一つです。人口の7割が農業で生計を立てており、主にバナナやコーヒーを栽培しています。
しかし近年、この国は気候変動にほんろうされ、食料不足が慢性化しています。
ホンジュラスを含む中米一帯は2014~17年、ひどい干ばつに襲われました。エルニーニョが干ばつを深刻化させたこともあって農作物の収穫が減り、多くの農家が打撃を受けました。一方で2015年には異常な豪雨によって、農作物の半分以上が失われました。
「私はシングルマザーです。農業に打ち込み、トウモロコシや豆を育てていました」
乾燥地域のチョルテカ県に住むマリアは話します。しかし彼女と74歳の母、12歳と7歳になる2人の子どもたちは干ばつにたびたび襲われ、生活できなくなってしまいました。
同じ集落に住むチャネルは男女5人ずつ、計10人の子どものお父さん。彼らもまた、支援に頼らざるを得ない状態です。マリアもチャネルも、携帯電話を通じて、国連WFPから食料を買うための電子マネーを受け取っています。
一方、国連WFPは同じチョルテカ県で、養鶏や菜園事業などに取り組む村の手助けもしています。養鶏を始めた村では、住民は卵を食べて栄養をつけるだけでなく、販売して現金収入も得られるようになりました。卵は人気で、良く売れるといいます。
住民の1人、ラケルは「(現金収入が増えたおかげで)市場でじゃがいもやクッキングバナナなどと一緒に、肉やソーセージも買えるようになり、生活はだいぶましになりました」と説明します。
しかしホンジュラス全体としてみれば、こうした自立支援の恩恵を受けているのは900世帯とごくわずか。食料事情は依然として苦しいままです。
5歳未満の子どもの2割以上は、年齢に比べて発育が遅れています。特に先住民の人々が多数暮らす乾燥地帯では、こうした子どもが全体の4割に達します。
半面、経済格差の拡大とともに脂肪や糖分の多い加工食品の消費が増加し、肥満や生活習慣病に陥る人も増えています。
国連WFPは2018年6月時点で約60万人に食料支援を実施しています。配給のほか学校給食の提供や、乳幼児と妊産婦へ栄養強化食品を配るなどの支援も行っています。