バングラデシュの女の子と女性の希望を後押しする学校給食
チッタゴン丘陵地帯にて歩みを共にする、栄養価優秀な給食と、成績優秀な女性達
眠たげな冬の朝、インドとミャンマーに国境を接する南部バングラディッシュのチッタゴン丘陵地帯の美しい稜線には雲のとばりが下りています。その麓には、静寂のうらで実は生命に溢れる村々が広がっています。
朝になり、大人たちが様々な用途のため、薪や土地のハーブを探しにバンダーバン地方のジャングルに分け入る頃、ヨンチ・マルマさんのような子どもたちは学校の準備を整えます。
ヨンチさんは、バングラディッシュ政府と国連WFPから栄養不良撲滅のための食料支援を受けているチッタゴン丘陵地帯における4,100校に在籍する90,000人の生徒のうちの一人です。
国土の大半が平野部に位置するなか、丘陵地帯の先住民の多くは高地に住み、一年を通じ食料の入手に苦労しています。
バンダーバン地区の今日の栄養不良率はバングラディッシュ国内で最悪で、全国平均の36%よりなお悪い48%の児童が発育不良にあり、6歳未満の40%が低体重、そして61%が貧血に苦しんでいます。
10歳のヨンチさんは現在、政府のモラコラ小学校に通う4年生です。彼女はほぼ毎年主席を取り続け、最も聡明な少女として有名です。
彼女はシングルマザーである彼女の母親が、娘の教育や日常の基本的な必需品を整えるために苦労する姿を目撃してきています。学校が終わると、ヨンチさんは自分たちのささやかな家庭がうまく回るように母親の家事を手伝います。
「成長していくなかで、家には学校のお弁当にできるほどの食べ物がありませんでした。」ヨンチさんは語ります。「しかし今は温かい学校の給食があって、もう、いつも空腹ということはありません。」
ヨンチさんと彼女の同級生たちは毎日1時間かけて通学しています。
「未来のために、頑張ります。」彼女は続けます。「お医者さんになって、私のことを一生懸命支えてくれた母のことを、支えられるようになりたいんです。」
今日では、チッタゴン丘陵地帯では10,000人を超える女生徒が温かい給食を食べていますが、これは彼女たちの栄養不良改善に役立つだけでなく、通学する動機になり、医師、看護師、先生はてはパイロットになりたいという未来の夢を育むことに繋がります。
チッタゴンにおける学校給食の舞台裏
学校の調理室では女性がすべてを取り仕切り-野菜を刻み、材料を撹拌し、レンズ豆、米、野菜を使った栄養価の高いベンガル地方の一品、美味しい「キチュリ」を作ります。つまりそれは、学校が地域の女性を雇用し、そして地元から給食のための食材を購入することにもなります。
「学校が地元の農場から野菜を買ってくれるおかげで、やっと現金を稼ぐことができるようになったんです。」地元の母親グループのひとりモラコラ・マルマ・パラは述べます。学校給食支援により女性が収入を得て、彼女たちの多くにとり、経済的に自立するための道が初めて開かれました。
バングラディッシュ政府とのパートナーシップ
チッタゴン丘陵地帯における学校給食支援は、国連WFPとバングラディッシュ政府ならびに初等大衆教育省、チッタゴン丘陵地帯問題省、初等教育理事会、バンダーバン丘陵地区議会、チッタゴン丘陵地帯開発委員会により実施されており、英国(UK)による資金援助をうけています。