ハイチ:地産地消の学校給食支援が育む生徒と農家の未来
午前7時、ゴナイヴの街はすでに活気に満ちています。通りでは、何十台ものオートバイが、ハイチでミニバスとして使われている昔ながらの装飾が施されたワゴン車、タップタップの間を縫うように走っています。WFP国連世界食糧計画(国連WFP)が支援する学校では、ボランティアの料理人マガリさん、シモーヌさん、ジョシーさんが、炎天下にもかかわらず、陽気に黒豆スープの大鍋をかき混ぜています。
学校給食の準備は、朝早くから食材の洗浄や切り分けを行い、それから長時間かけて調理を行う手のかかる仕事です。こうした母親たちの支援のおかげで、毎日正午までに250人以上の生徒に新鮮で栄養価の高い給食が提供されます。
これらの子どもたちは、国連WFPの支援を受けて全国の学校で毎日の食事を受け取っている42万人のうちの一部です。
マガリさんにはこの学校で学ぶ4人の娘がいます。彼女の夫は病気で働けません。
学校でボランティアをしていないときは、マガリさんはパンを売っています。「仕事を探して街を歩いています。でも大変です。夫が病気のため、私は家ではママでもありパパでもあります」と彼女は話します。
マガリさんは、6人の子どもたちの食事を買うお金がないこともありますが、子どもたちが学校で少なくとも1回は十分な食事ができるので安心しています。「学校の食堂のおかげで、子どもたちは満足して帰宅し、ぐっすり眠れるのです」と彼女は言います。
マガリさんの長女メズダちゃんは14歳です。「私は看護師になりたいのですが、ちょっと課題があります。私は血が怖いのです!でも、大丈夫。少し慣れたら問題ないと思います。だって患者さんを助けるのが私の義務だから」と笑顔で将来の夢を語ってくれました。
人口の半数近くが深刻な飢餓に苦しむこの国で、国連WFPが提供する学校給食は、メズダちゃんのような生徒たちが学び、夢に向かって努力するために必要な栄養補給を可能にしています。「何も食べずに学校に来ても、お腹いっぱいになって家に帰れるんです」と彼女は話します。
農場から教室へ
この支援の恩恵は学校だけにとどまりません。国連WFPはハイチ教育省や国家開発銀行と緊密に協力して、地元の生産者から食材を購入しています。これは「地産地消の学校給食」として知られるアプローチであり、農家は定期的な買い手と公正な価格から利益を得ることができます。
調理用バナナの栽培農家であるイラー・カンブロンヌさんは、幼い頃から土地を耕し、家畜の世話をしてきました。「これは私の最大の誇りです」と彼は国連WFPと地元当局との仕事について語ります。「私だけでなく、ハイチ全体にとって、国のための仕事なのですから。子どもたちが学校で食べるのが、私の作ったバナナだと考えると、大きな満足感を覚えます」と彼は言います。
イラーさんは10人の従業員を雇用しており、毎週最大50束の調理用バナナ(各束は12本の調理用バナナを含む)を学校に納入しています。
地産地消の学校給食支援は、ギャング組織による暴力や治安の悪さによって、農家から市場への食料の流れが途絶えがちなハイチの農村経済を活性化しています。国連WFPは、近隣の学校給食用の地元産食材の購入を通じて、毎月100万米ドル以上を国家経済に注入しています。これはまた、国の輸入食品への依存を解消する助けにもなっています。
食料の確保と統治が政府の重要課題である中、このモデルはハイチのネスミー・マニガット教育大臣から「模範的」と称賛されています。「地産地消の学校給食支援は地元産物に依存しているだけでなく、地域社会を総動員することで人びとを鼓舞します」とマニガット大臣は述べます。
国連WFPは昨年、地産地消の学校給食支援を受ける子どもたちの数を倍増させ、ハイチ全土で18万人以上の子どもたちに給食を提供しました。2030年までに、学校給食の100%が地元産の食材で調理され、メズダさんのような生徒たち、イラーさんのような地元生産者、そして国全体に恩恵をもたらすことを目指しています。
ハイチでの地産地消の学校給食支援は、末日聖徒イエス・キリスト教会の寛大な支援により実現しています。