国連WFPとノーベル平和賞
私たち国連WFPは世界最大の人道支援機関として88ヵ国の1億人を飢餓から救い、未来を救っています。 国連WFPは紛争、干ばつ、洪水、ハリケーン、農作物の不作、そして新型コロナウイルスの世界的大流行などの緊急時に、まず命をつなぐ食料などの支援を行います。同時に私たちは持続可能な開発に重点を置き、対象国の政府が自国の食料安全保障を長期的に管理できるようになるための支援と技術を提供しています。
※ 国連WFPの活動内容を詳しく知るにはこちらをご覧ください。支援の最前線の写真とともに12の活動を紹介しています。
現時点で最悪の食料危機は、紛争下の3つの国々「アフガニスタン」「コンゴ民主共和国」「イエメン」で発生しています。
世界は飢餓のパンデミックの危機に瀕しており、新型コロナウイルスの影響で飢餓人口が2倍になる恐れがあり、なかでも紛争地域に住む人びとが最も苦しんでいます。
飢餓と平和の関係
今年、国連WFPは「飢餓と闘う努力、紛争の影響を受けた地域の平和のための条件の改善への貢献、そして飢餓を紛争の武器としての使用を防ぐための原動力としての役割を果たした」ことに対して、ノーベル平和賞を受賞しました。
国連WFPは50年以上にわたり緊急事態の最前線で活動しており、紛争に巻き込まれた無数の人びとに希望をもたらしてきました。私たちが支援する人びとの多くは、暴力から逃れるために人生を打ち捨てざるを得なかった人びとです。
飢餓と紛争の結びつきは悪循環です。紛争があるところには飢餓があり、そして飢餓があるところでは、しばしば紛争が起こります。
紛争が多くの人びとの家、土地と仕事を奪うとき、人びとはえてして飢餓に陥ります。しかし、その逆も起こりえます。食料不足は社会の緊張を煽り、不正に火をつけます。それは最終的に紛争を引き起こし、悪化させることがあります。
さらに悪いことに、国際人道法で禁止されているにもかかわらず、飢餓は紛争の手段として幅広く使用されています。
食料安全保障と、世界の平和や安定は一体です。平和がなければ、私たちは世界の飢餓を終わらせることはできません。そして飢餓がある限り、決して平和な世界が訪れることはないのです。
平和を築く国連WFPの食料支援
◆ 紛争前
国連WFPは世界で最も貧しく、最も脆弱な人びとの住む地域で活動します。私たち国連WFPは、食料が平和の礎になると信じています。子どもたちが学校で給食を食べるとき、大人たちが地域プロジェクトでの仕事の対価として食料を受け取るとき、貧しい人びとや高齢者でも食事が取れる社会のセーフティネットがあるとき、そのコミュニティはより回復力があり、紛争にエスカレートすることを防ぎます。
◆ 紛争中
国連WFPは、支援なしでは飢えるしかない人びとに食料を届け、飢餓から救います。その国の政府が弱体化または腐敗している時、あるいは武装勢力が跋扈(ばっこ)している時、国連WFPの存在は人びとに希望を与え、その食料支援活動は紛争に巻き込まれた家族の生命線になります。地域社会で食料を提供することはまた、飢えた人びと同士の摩擦の1つの要因を取り除き、橋を架け、地域社会が平和を築くことを助けます。
◆ 紛争後
紛争が終結したとき、国連WFPは支援プログラムを通して人びとの自立を助け、コミュニティがより強くしなやかに立ち直るよう助けます。紛争が終結した国の40~60%は10年以内に紛争が再発します。国連WFPはその国の政府と協力して体制の安定性を高め、人びとがコミュニティを再構築するよう支援しています。
私たちが支援する人びと
国連WFPが人類にできる最大の貢献の1つは、世界の6億9千万人の飢えた人びとに声を上げる機会を与えることと認識しています。ノーベル平和賞は、支援が必要な人びとの声が聞かれ、彼らへの支援を結集するための土台を築きます。
イエメンで国連WFPの支援を受ける12歳のアミナはこう言います。
紛争が始まったのはアミナが7歳の時でした。アミナと家族はホデイダの自宅から、イエメンの首都サナアの避難先に逃げることを余儀なくされました。彼らは毎月国連WFPからの食料支援を受けています。
シリアの紛争下で苦しむ男性は、
いまシリア・アレッポの家族は国連WFPからパンの提供を受けています。紛争はシリア全土のパン屋を破壊しました。家族がアレッポに戻り始めたとき、国連WFPはパン屋の修復プロジェクトを立ち上げ、配給食料のメニューにパンを追加しました。
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ノーベル平和賞受賞に際してのメッセージや菅首相への表敬訪問の様子もぜひご覧ください。