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「読み書き」能力の普及:識字訓練によるコンゴ女性のエンパワメント活動

国連機関の支援活動から、教育の成果を得るのに決して遅すぎるということはないということがわかります。
, Katarzyna Jaskiewicz, Ben Angaundia and Elin Andersson
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コンゴ民主共和国(DRC)の南キブ州カシェカで識字プロジェクトに参加しているフラハさんは「先生から初めて黒板の文字を読むように言われたとき、どれほど感激したかを覚えています」と語ります。

フラハさんは、WFP国連世界食糧計画(国連WFP)と食糧農業機関(FAO)が実施している、収穫量を増加するための技術研修を受けている何千人もの農民のうちの一人ですが、彼女が最も誇りに思っているのは、読み書きや計数ができるようになったことです。

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南キブ州カシェカで研修中のフラハさん。彼女は農民であり母親です。

Photo: WFP/Arete/Fredrik Lerneryd
A woman sits at a desk writing in a book.
WFP assists 518,000 people in 'resilience' activities across DRC. Photo: WFP/Arete/Fredrik Lerneryd

紛争や異常気象、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)などの影響を受けているこの農村で農業技術がいかに重要かということを考えれば、これは注目すべきことです。

フラハさんによれば、「作物が取れないときは、何も食べられなかった」と言う状態で、フラハさんと彼女の夫が養う12人の子どもたちへの影響は甚大でした。

コンゴ民主共和国東部は長年紛争による被害を受けており、そこに住む多くの女性同様、フラハさんも学校に通えませんでした。

A woman walks on a dirt road with a dish on her head.
フラハさんは新しい技術を身につけ、お店を始めました。

Photo: WFP/Arete/Fredrik Lerneryd

現在、彼女は37人のメンバーからなる貯蓄貸付グループの代表を務めており、多くの女性を支援しています。国連WFPFAOは、このような組織を通じて、コミュニティが長期的に自立できるような支援を行うことを目指しています。

2700万人以上の人々が食料不安に陥っているコンゴ民主共和国では、他のどの国よりも多くの人びとが飢餓に苦しんでいます。

2017年以降、国連WFPFAOはドイツの資金援助を受け、600の農民組織および約3万世帯を支援しています。支援世帯のうち6割は女性が世帯主です。

A closeup on a woman writing in a notebook.
フラハさん夫婦は12人の子どもたちを養っています。

Photo: WFP/Arete/Fredrik Lerneryd

国連WFPは、非常に厳しい事業環境ながら、今年はコンゴ民主共和国において870万人に支援を行う計画です。最も弱い立場にある人びとへの食料や現金の支給、子どもや女性の栄養不良対策と予防、学校へ通う子どもたちへの温かい給食の提供などを行います。

また、5つの州に住む518000人が長期的に自立できるよう、強靭性を高める活動も行います。女性や女の子に対するエンパワメントはこの目的を達成するのにカギとなります。

A closeup of beans, garlic, ginger, lentils and other produce.
自身の店で商品を並べるフラハさん。

Photo: WFP/Arete/Fredrik Lerneryd

「これまでは、女性グループの中にいても気まずさがありました」とフラハさんは言います。「他の女性たちは私に特別な何かを見出していましたが、私は読み書きができなかったので、リーダーシップをとるような役割は考えられなかったのです」

彼女はさらにこう続けます。「学校を卒業した人たちと一緒にいると、いつも居心地の悪さや自分の不完全さを感じていたのです。自分には場違いのような気がして」

激化する紛争は依然として飢餓の主な原因となっており、東部のイツリ州、北・南キブ州、タンガニーカ州、中部カサイ州の広い範囲が最も深刻な被害を受けています。

A woman in front of a purple dish hands another woman a smaller dish.
フラハさんは「識字能力があることで帰属意識が高まる」と言います。

Photo: WFP/Arete/Fredrik Lerneryd

多数の家族が食料を買うために貴重な資産を売らざるを得ず、多くの人が食事を抜くしかなく、場合によっては丸1日食べないこともあります。

フラハさんは現在、家族の食事用と販売用に必要なトウモロコシ、キャッサバ、豆類、その他の野菜を栽培しているだけでなく、ビジネススキル訓練を受けたおかげで、小売店を開くことができました。

A woman writes in a book with produce around her.
フラハさんは現在、コミュニティの貯蓄・貸付組織のリーダーを務めています。

Photo: WFP/Arete/Fredrik Lerneryd

「ビジネスを始めて以来、子どもたちは朝も昼も食事がとれるようになりました」と彼女は言います。「今では、子供たちはさまざまな食べ物を選べるようになりました。野菜や魚、果物などが食べられるのです」

南キブ州におけるプログラム実施を担当するマリアム・アガンゼは「意思決定の役割に女性が参加したことは、コミュニティの社会的結束を高めるのに寄与しています。今では女性が協同組合の代表を務めることもあり、私たちが活動しているコミュニティの女性たちに力を与え、自信を持たせてくれています」と言います。

 

国連WFPのコンゴにおける支援をさらに詳しくみる

 

 

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