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ウクライナでの戦争で避難を余儀なくされた家族:「全てを残して生きるために逃げました」

自宅のあるハルキウでの砲撃から生き延びた後、2人の息子とともに安全なところへ避難し、国連WFPの支援を受けた夫婦の話です。
, Reem Nada
Liubov and her sons displaced in Poltava. Photo: WFP/Reem Nada  ​
リューボフと彼女の家族は、ハルキウを離れ、国連WFPの支援が受けられるポルタヴァへやってきました。Photo: WFP/Reem Nada 

ハルキウにあるオレキサンダーとリューボフの家が激しい砲撃を受けた時、彼らは2人の息子たちを連れて地下の部屋へ駆け込み、そこで一晩を過ごしました。

「私たちは朝になって地下から出てきました。」とリューボフは言います。「裏庭の惨状を見て、私たちはすぐにその場を離れました。」

家族は現在、ウクライナの中心部から143 km離れたポルタヴァにある比較的安全な学生寮に住み、そこで国連WFPからの支援を受けています。

寮内には4つのベッド、4つの椅子、そして洗濯された服が何枚か干されています。他に約100世帯が、避難所となった大学の寮内で生活をしています。

ウクライナ紛争発生から2か月、世界で最も急速に拡大している人道的危機の中で、約1,400万人が故郷を離れていきました。女性と子どもを中心に590万人が近隣諸国へ避難しています。

これは第二次世界大戦以来最大の人の動きです。国連WFPはこれまで現物の食料配布や現金支給で、370万人を支援しました。

「私が働いていた工場は、戦争が始まった2月24日に閉鎖されました。」とオレキサンダーは言います。それ以来、彼の収入はありません。保育園で働いていたリューボフも収入を失いました。彼らは事態が良くなると希望を持っていましたが、それが叶うことはありませんでした。そのため、一家は家を離れざるを得ませんでした。

「私たちは書類と数枚の衣類を持ち出すことしかできませんでした。」とリューボフは言います。ウクライナの第2の都市であるハルキウは、紛争が始まって以来、最悪の砲撃を受けています。

ボランティアとして支援に携わる大学の職員の話によると、授業はオンラインで続けられていたものの、大学の業務や避難している家族が滞在している寮がいつ元通りの状態になるのかわかりません。

The xxxx family meet WFP's xxxxx xxxxx in Poltova. Photo: WFP/Reem Nada
一家がポルタヴァで国連WFPスタッフと話をしています。 Photo: WFP/Reem Nada

国連WFPは、1世帯に対し1か月あたり17.5kgの食料を支援しています。 国連WFPのパートナーである国際人道財団を通じて支給される食料品には、パスタ、肉の缶詰、米、植物油が含まれます。

ウクライナ全土で、ほぼ着の身着のままで800万人もの人びとが故郷を離れていきました。多くの人が仕事や家を失いました。いつ彼らが家に戻ることができるのか、その時に家が存在しているかすら誰にも分かりません。

オレキサンダーとリューボフが受けとっているような毎月の配給、緊急食料配給、現金支給は、ウクライナにいる人びとを支援しています。現金は、脆弱な立場にある人びとが、現地の市場で最も必要なものを購入するために支給されます。

また、国連WFPはハルキウなどロシア軍によって部分的に包囲された地域で、ベーカリーに小麦粉を配布しています。これにより、事業を継続的に運営させ、最も被害の大きい地域の人びとに食料を提供する食料システムの確立するための後押しをしています。

Boxes from WFP in Poltova
ポルタヴァに到着した国連WFPの食料物資。Photo: WFP/Reem Nada 

ウクライナ東部のロシア軍に包囲されている地域では、すでに食料と飲料水が不足しています。また、一部の地域では、在庫さえあるかわからない食料品店に出かけるのにも危険をともないます。

「戦争が始まるとすべてが閉鎖され、食料品店や薬局は営業を停止しました。」とリューボフは言います。 「子ども連れの家族だけでなく、高齢者や障がい者のために食料を持ってきたボランティアの人たちがたくさんいました。」彼女は、食料品店や薬局は徐々に営業を再開しているものの、「半分は空っぽ」と話します。

しかし、このような難しい状況にも関わらず、夫婦の子どもの12歳のイゴールと7歳のイリアはまだ学校の勉強を続けています。息子たちは、自分たちの家と友達、思い出、そしてそこでの暮らし、彼らにとって大切であったものが恋しいと言います。 「私たちはすべてを残し、生き残るためだけに逃げました。」とリューボフは言います。

「私たちは子どもたちが苦しんでいることを知っています。これからどうなるのか、家に帰ることができるのか何度も聞いてきます。」と彼女は言います。「私は子どもたちに、一緒に頑張って、この苦しみを乗り越えることができる、そして、戦争はずっとは続かないし、必ず終わりが来ると話しています。」と言います。

リューボフとオレキサンダーは子どもたちに対して、嘘をついたり、いつ家に帰ることができるのか、教えてあげることもできません。他の何百万人ものウクライナの人びとのように、彼らは日々先の見えない生活を送っています。リューボフは付け加えます。「これはただの悪い夢であってほしいです。そして、我が家で目を覚ませたらと思います。」

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