WFP学校給食支援の公共広告キャンペーン 「一杯の給食で、いっぱいの希望」
横浜発―WFP 国連世界食糧計画が途上国で行なっている学校給食を支援する公共広告がAC公共広告機構の支援キャンペーンのテーマとして選ばれ、新聞、雑誌、ラジオ、テレビを通じて展開されることになった。
広告作品は、WFPが全世界で行っている「一杯の給食キャンペーン」をモチーフとしている。このキャンペーンは、開発途上国の児童5900万人もが空腹の状態で学校に通っているということを知ってもらうと共に、学校給食を提供するための資金を集めるというもの。
広告作品の中にも登場する赤いプラスチップのカップはキャンペーンのシンボルで、飢餓に苦しむ子供たちに対して、一杯の給食がどれほど大きな違いをもたらすことができるかを示している。
WFP日本事務所代表の玉村美保子は、「AC公共広告機構には多大なるご支援を続けていただいており、大変感謝しております。現在、食糧価格高騰により世界の多くの子供たちが打撃を受け、お腹をすかせています。学校給食はこのような子どもたちにとってセーフティーネットの役割を果たしており、その重要性は増す一方です。この広告キャンペーンによって、日本の皆様からより一層のご支援をいただければ大変有難く存じます。」と述べた。
広告作品の撮影は、ナイロビ(ケニア)のキベラスラムにあるスタラ小学校で行われた。WFPが学校で提供している栄養たっぷりのおかゆの給食があるからこそ、子どもたちは学校に通い、授業に集中することができるという様子を描いている。
広告では、「一杯の給食で、いっぱいの希望」というキャッチフレーズのもと、黒板に書かれた「h」と「pe」という文字の間に赤いプラスチックのカップが置かれ、「hope」という文字が完成する。
広告の企画・制作は電通 名鉄コミュニケーションズが担当。また、テレビ・ラジオCMのナレーションは、豊川悦司さんに担当していただいた。公共広告キャンペーンは7月1日より、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、そして交通広告を通じて展開される。
AC公共広告機構は、公共広告を通して社会と公共の福祉に貢献することを目的とする民間の広告ネットワーク。1300を越えるメディア・広告・一般企業が会員となり、構成されている。同機構が制作した公共広告は、会員のメディア各社により、無償で掲載・放送される。
WFPの学校給食は40年以上の歴史を持ち、途上国で学校給食を配給している組織としては世界最大。貧困に苦しむ国では、栄養価の高い学校給食は子どもたちを学校に通わせる動機付けとなる。また、給食を食べることによって授業中の子どもたちの集中力が上がり、学業成績も向上する。2007年、WFPは70ヶ国で1930万人の子どもたちに学校給食を提供した。