WFPからダボス会議へのメッセージ「栄養改善は将来への投資」
WFP/Riccardo Gangale
ジョセット・シーランWFP事務局長は、アフリカの教室に見立てたWFPのテントで各国の政治家やビジネスリーダーとの会合を主催、WFPと企業や個人が飢餓をなくすためにどうのように連携できるかを話し合っている。
また、シーラン事務局長は28日に予定されている本会議の「子どもたちの健康」をテーマにしたセッションで議長を務める。世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長、ビル&メリンダ・ゲイツ財団のメリンダ・ゲイツ氏、コカ・コーラCEOのムーター・ケント氏、ノボノルディスク社CEO のラース・ソレンセン氏、U2のボーカルでONEの共同創立者のボノなどがこの会合に出席する。
「WFPがダボス会議へ参加した理由は、飢餓に苦しむ人々、特に栄養不足に苦しむ子どもたちとその母親たちを支援することが、将来への投資となるということを伝えるためです」とWFPのナンシー・ローマン広報・民間協力部門部長は話している。
特に栄養が必要な時期に、必要な栄養を摂取すること、とりわけ生命が母体に宿った時から最初の1000日間に栄養を摂取することが極めて重要であるということが、研究から明らかになっている。胎児は母体から十分な栄養をもらい、生まれた後は母乳で育つ。そしてその後、栄養のある食事を摂り、健康な体を育んでいく。
28日の会議には、30人以上の女性のリーダーが参加する予定。先進国の女性たちが途上国の女性をどのように支援し、飢餓と貧困の悪循環を断ち切ることができるかを話し合う。
乳児や幼児が栄養不足から受けるダメージは甚大だ。栄養不足になると、発育が妨げられ、病気になりやすく、そして学校へ通うようになっても授業に集中することができない。このため、大人になっても低い収入しか得られないことが多い。
WFPは、子どもの飢餓や栄養不足の撲滅を目指すため、グローバル企業数社と連携して「プロジェクト・レーザービーム」というプロジェクトに取り組んでいる。これは、子どもの栄養不足の現状を改善するためのプロジェクトで、TNT、DSM、ユニリーバといった企業の寄付や技術提供など強力な支援のもと、インドネシアとバングラデシュで行われる。
昨年、WFPがハイチで大地震被災者への食糧支援を行った際、民間部門からは7千万ドル以上の支援が集まった。民間部門からの支援は年々拡大しており、去年、各国政府などもあわせた支援額の順位では、民間部門からの支援額は6番目となった。