アフガニスタン地震に対応 人道支援のニーズ増加
【カブール】 8月31日にアフガニスタン東部を襲ったマグニチュード6.0の強い地震から1か月が経過し、その後も続いた余震によって被害はさらに深刻化しました。世界食糧計画(WFP)は、被災した地域に迅速に食料支援を届けるとともに、広範な人道支援活動のための物流支援を続けています。
以下は、アフガニスタンにおけるWFPの地震対応の最新情報です。
食料安全保障の状況:
- 今回の地震は、すでに深刻だったアフガニスタン全土の食料安全保障と栄養危機を、さらに悪化させました。現在、約900万人(国民の5人に1人相当)が深刻な食料不足に直面しており、母子の急性栄養不良も過去最悪の水準に達しています。
- 地震以前から、最も被害の大きかったクナール州とナンガルハール州では、深刻な人道支援の資金不足とサービスの縮小により、急性栄養不良が危機的レベルに達していました。現地のWFPチームは、状況がさらに悪化することを懸念しています。
- 被災地にはパキスタンから強制送還されたアフガニスタン人の家族が流入しており、多くが破壊された家や農地に戻ってきています。
- 帰還した母子の間で急性栄養不良の深刻な状況が確認されており、限られた人道資源への負担が増しています。
- 冬の到来により、山岳地帯を含む遠隔地が雪や雨で孤立することが予想され、状況はさらに悪化する見込みです。
WFPの活動:
- WFPは、地震発生後数時間以内にクナール州へ到達した最初の国際機関であり、食料支援を開始しました。
- クナール州、ナンガルハール州、ラグマン州の合計58,000人以上に緊急食料支援を提供しました。
- WFP主導の国連人道支援航空サービス(UNHAS)は、震源地近くのジャララバードへの乗客および救援物資の輸送を支援しています。
- UNHASはスタッフの移動と遠隔地への物資配送のために、ヘリコプターも配備しました。
- WFPは広範な人道支援活動の一環として、複数の拠点から被災地への物資輸送を調整しており、現在も追加の配送が進行中です。
- 人道支援のための保管用テントも設置しました。
- 情報通信技術支援としてWFPはクナール州に、通信インフラが損壊した地域でも通信できるようVSATインターネットとUHF無線サービスを導入し、緊急対応を支援しています。また、持続可能な電力供給のために太陽光発電システムも設置しました。
課題と資金状況:
- 被災地は山岳地帯であり、険しい地形、劣悪な道路網、通信環境の不備により、地域が完全に孤立しており、人道支援の対応が困難になっています。
- WFPの全国的な支援活動は深刻な資金不足に直面しており、現在は月に100万人未満への支援にとどまっています。今回の地震により、すでに逼迫していた資源への負担がさらに増しています。
- 今後6か月間で必要な資金は6億2200万米ドルに上ります。
- WFPの地震対応は、アジア開発銀行、日本、カナダ、スイス、国連中央緊急対応基金(CERF)からの支援により実現しました。
編集者向け注記:
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世界食糧計画(WFP) は世界最大の人道支援機関であり、緊急時には命を救い、食料支援を通じて人々が紛争、災害、気候変動の影響から立ち直るための平和と安定、繁栄への道を築いています。