国連WFP、ウクライナの包囲された都市へのアクセスを要請

「すべての当事者に包囲された都市にいる人びとに到達するため必要なアクセスを提供することを求めています」と国連WFPのデイビッド・ビーズリー事務局長は述べました。「戦争による破壊によって人びとが苦しんでいることと、飢餓で死に追いやられることは同じではありません。」

 ウクライナ南部のマリウポリでは最後の食料や水の備蓄が底をついているとみられます。２週間以上前に包囲されてから人道支援は届けられていません。西部では、戦闘によってムィコラーイウへアクセスすることができていません。国連WFPは東部のいくつかの都市に関しても同様の懸念を抱いています。

国連WFPはこれまでウクライナで１４０万人に支援を届けました。今月末までに２３０万人への拡大を目指しています。しかし、マリウポリなどのような都市への安全なアクセスの確保がその実現には鍵となります。マリウポリでは１０万人が身動きできなくなっているとみられています。

 国連WFPは今週、最近まで戦争の最前線にあった地域へも食料支援の活動を拡大しました。ブチャ、ホストメル、ボロディヤンカ、キーウ近郊のイルピンではパスタや米、缶詰の肉や食料油を家を破壊され、心に傷を負った人びとへ配布しています。

 ４月１４日に国連WFPのビーズリー事務局長はブチャを訪れ、地元の教会関係者の協力で行われている支援を直接視察しました。避難民の受け入れセンターで女性や子どもと言葉を交わしました。

 迫撃砲の不発弾で埋め尽くされた通りを歩き、爆破された孤児院を訪れた事務局長は、「衝撃的でした。ここでの戦争の恐怖は明らかで、人びとが体験したことを想像すると身の毛がよだつ思いがします」と話しました。「しかし希望を持っています。コミュニティーが再建しようとしている力強さを見ました。こうした取り組みを支援しなければなりません。」

 国連WFPは「後悔のない」アプローチ（危機における緊急のニーズに対応できないことを避けるため活動の当初から大規模な支援を展開する）に基づいてウクライナの戦争への支援を拡大し、最終的には世界で最も急速に悪化した人道危機に巻き込まれた６００万人への支援を目指しています。紛争の影響を受けた地域では人びとはブチャで配布されているのと同様の食料の包みを受け取っています。一方市場が機能している地域では、家庭が必要なものを購入できるように現金を支給しています。

ウクライナでは700万人以上が国内避難民となり、紛争前に食料を届けていたサプライチェーンが多くの地域で崩壊しています。ウクライナの人口の約３分の１と国内避難民の６割は十分な食料を確保するのに不安を抱いています。

ウクライナでの戦争は世界のほかの地域でもさらに飢餓を引き起こしています。世界的な食料価格は紛争以降急騰し、史上最高値となっています。すでに自国での食料価格の高騰の影響を受けている何百万もの人びとにとって、価格の高騰は食料へのアクセスをますます困難にするとみられています。

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