ジンバブエの都市部で飢餓が深刻化、新型コロナウィルスの影響が全国に波及
新型コロナウィルスの蔓延を抑えるために行われたロックダウンは、都市部の貧困層に大きな打撃を与えました。彼らの多くは日雇いの賃金労働者であり、その生活は苦しいものです。都市部では仕事を見つけることができず、移動が禁止されているため、農村部での季節労働もできなくなっています。仕事の機会が失われていることから、今回の報告書では、都市部の42%の世帯が今年必要なだけの穀物を確保できないとしていますが、これは2019年の同時期の約30%から増加しています。
国連WFPジンバブエ事務所代表のフランチェスカ・エーデルマンは、「栄養価の高い食料へのアクセスが減少したことで、多くの人に悪影響が出ています。家族は食卓に食べ物を並べることが難しくなり、ほとんどの人が家に閉じこもってしまい、仕事に行くことができませんでした。食事を抜いたり、空腹のまま就寝しなければならない人もいます。最も弱い立場にある人々にとって、飢餓は人生に永続的な影響を与えることになります。新型コロナウィルスによる飢餓状況の悪化は、彼らにとって最大の課題となる恐れがあります。」と述べています。
現在、都市部の83%近くの世帯が、家族のために必要な食料を買うのに苦労しています。彼らは主食のひき割りトウモロコシ、塩、食用油などの基本的なものを買うことができません。2019年には76.8%でした。
国連WFPの都市部支援プログラムは、23の都市部で32万6千人のジンバブエ人に毎月現金支援を行っており、資源の利用可能性に応じて、国内で最も被害が大きく食料不安のある28の都市部に住む55万人への規模拡大を目指しています。世帯には、電子送金による現金と、指定された小売店で食料品を購入できるバウチャーが配布されます。
現金支援と並行して、国連WFPは脆弱なコミュニティがショックに耐えられるよう、長期的な開発を支援するレジリエンス構築活動も実施しています。これには、マッシュルームや野菜の栽培などの都市農業の支援、農村と都市のフードバリューチェーン間の市場連携の構築、貯蓄・貸付グループの設立、小規模事業の立ち上げを支援する起業家訓練などが含まれます。
国連WFPは、ジンバブエ政府、国連機関、NGOパートナーと緊密に連携し、「都市の社会的支援とレジリエンス構築プログラム」を実施するとともに、都市部におけるより長期的な衝撃対応型の社会保護プログラムの開発についても関与しています。
国連WFPは、英国、米国、欧州委員会人道支援・市民保護局 (ECHO)、国連中央緊急対応基金 (UN CERF)、スイス、カナダ、日本からの支援を受けて、都市社会支援プログラムを実施しています。
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WFP国連世界食糧計画(国連WFP)は、2020年のノーベル平和賞を受賞しました。 私たちは世界最大の人道支援組織であり、緊急時に命を救い、食料支援を活用して、紛争や災害、気候変動の影響から立ち直った人々のために平和、安定、繁栄への道筋を構築しています。