深刻な飢餓が拡がる中央アフリカ共和国に向け食糧空輸を開始
まず、82トンのコメを積んだ飛行機が隣国のカメルーン・ドゥアラから、中央アフリカ共和国の首都バンギに到着しました。今後4週間でおよそ25回の空輸が行われ、1800トンの穀物(15万人の1カ月間の食糧に相当)が到着する予定です。
これらの食糧は家を捨て避難せざるを得なかった人々に配布されます。また、5月には雨期が始まり多くの道路が通行不能となるため、それまでに備蓄しておく食糧も緊急に必要とされています。さらに、収穫物の備蓄が底を尽きる、飢餓に陥りやすい時期が今月にも到来します。
デニス・ブラウン国連WFP西アフリカ地域局長は、「暴力の連鎖が止まらず、経済も混乱している中、中央アフリカ共和国における栄養・食糧危機はますます厳しいものとなっています。今回の空輸は、最も弱い立場の人々に食糧を届けるための命綱です。空輸は経費が高くつきますが、他に選択肢がありません。紛争の被災者の命を救う食糧支援を緊急に行い、また雨期や飢餓に陥りやすい時期が到来する前に、地方で食糧の備蓄を進めなければなりません」と述べました。
治安の悪化のため、年初より国連WFPの食糧の備蓄は減る一方です。一時は国連WFPの食糧を積んだトラック51台がカメルーンとの国境で何週間も動かないという状況に陥りました。アフリカ主導中央アフリカ国際支援ミッション(MISCA)の護衛の下、食糧を積んだトラックの車列が2回、バンギに到着しましたが、必要な支援用食糧を全て運ぶには道路の治安状況があまりに不安定でした。
さらに、資金が不足しています。国連WFPが8月まで同国で125万人を対象に食糧支援を行うには1億700万ドル近くが必要ですが、そのうち27%しか資金が集まっていません。緊急食糧支援と食糧の備蓄を5月より前に進めるためには、追加資金が緊急に必要とされています。
ブラウン国連WFP西アフリカ地域局長は、「例年でも飢餓に陥りやすい時期や雨期に壊滅的な栄養危機が起きないようにするためには、支援の額もさることながら、その提供時期が非常に重要です。今こそ、支援が必要とされているのです。さもなければさらに多くの人が飢餓に苦しむことになってしまいます」と述べました。
昨年12月から紛争が激化する中、国連WFPは安全に通行できる時にはすべての地域に支援食糧を届けてきており、12月には連携機関とともに26万人近くに食糧を配布しました。1月にはバンギ・ボア・ボサンゴア・カガバンドロ地域において28万人に食糧を提供しました。