日本政府、国連WFPを通じて32カ国に1億2,000万米ドルの食糧支援
国連WFP日本事務所代表のスティーブン・アンダーソンは、「日本から、このような多大かつ時宜を得た支援をいただき、心より感謝申し上げます。国連WFPは、シリア、イラク、イエメン、南スーダンで、紛争が引き起こした世界最大級かつ最も複雑な4つの人道危機に対して緊急支援を行っています。また、史上最悪レベルのエル・ニーニョ現象の打撃を受けた国など、自然災害による甚大な被害を受けた国々に対しても緊急人道支援を行っています。このような多額の拠出金は、今年5月のG7伊勢志摩サミットの議長国としての日本の、人道支援に対する確固たる使命感や、平和構築、人間の安全保障における積極的なリーダーシップを再確認するものです。」と述べました。
8月にはケニアで、第6回アフリカ開発会議(TICAD VI) が、日本共催のもと開催されます。それに先駆け、アフリカ大陸の20カ国が今回の拠出金の最大の行先となり、自然災害や紛争の被災者数百万人への支援活動に計5,600万米ドルが充てられるのは、当を得た支援と言えます。例えば、エル・ニーニョ現象の影響で過去50年で最悪ともいわれる干ばつが発生し緊急事態に陥っているエチオピアでは、日本の拠出金は47万2,000人に対する緊急食糧支援に充てられます。また、マラウイでは、洪水と日照りの被害を受けた人々への緊急支援、復興、学校給食プログラムなどの4つの事業に充てられ、人道支援から開発への継ぎ目のない支援が実施されます。復興活動は、国際協力機構(JICA)の 農業分野の技術支援と連携して行われます。継ぎ目のない支援は、今年、イスタンブールで開かれる世界人道サミットでも優先課題として議論されるテーマです。
拠出金のうち4,900万米ドルは、中東の紛争被災者への支援に割り当てられます。シリア紛争が6年目を迎えようとする今、日本の拠出金は、シリア国内および周辺国で避難生活を送る600万人近くのシリア人に対して、命綱となる食糧および食糧購入用の電子マネー等を配布する活動に使用されます。また、イエメンでは、国内避難民200万人に対して、母子栄養支援などの重要な支援に活用されます。
アジアでは、日本の拠出金はアフガニスタンとパキスタンへの食糧支援に活用されます。これは、この地域で平和と人間の安全保障を促進しようという日本の強い意向を反映するものです。
日本の拠出金は、南スーダンやギニア等の5カ国における輸送活動にも活用されます。国連WFPはこれらの国々で国連人道支援航空サービス(いわゆる国連機)を運営しています。これは、国連WFPが提供している旅客・貨物の航空輸送サービスであり、各人道支援機関が支援活動を行うためには欠かせないものとなっています。
拠出金の内訳は以下の通りです。
<中東>イエメン(1,000万米ドル)、ヨルダン(800万米ドル)、トルコ(750万米ドル)、レバノン(660万米ドル)、シリア(620万米ドル)、イラク(600万米ドル)、スーダン(270万ドル)、パレスチナ(130万米ドル)、エジプト(100万米ドル)
<アフリカ>エチオピア(535万米ドル)、中央アフリカ共和国(500万米ドル)、マラウイ(500万米ドル)ニジェール(350万米ドル)、ウガンダ(350万米ドル)、コンゴ民主共和国(450万米ドル)、ソマリア(310万米ドル)、カメルーン(300万米ドル)、ブルンジ(265万ドル)、南スーダン(320万米ドル)、シエラレオネ(220万米ドル)、ギニア(300万米ドル)、モーリタニア(200万米ドル)、ケニア(200万米ドル)、タンザニア(180万米ドル)、チャド(175万米ドル)、マリ(150万米ドル)、コンゴ共和国(140万米ドル)、リベリア(100万米ドル)、ブルキナファソ(100万米ドル)
<アジア>アフガニスタン(800万米ドル)、パキスタン(600万米ドル)
<東欧>ウクライナ(100万米ドル)