「人々はこの戦争を終わらせたいと望んでおり、私たちも同じです」-ガザ北部で国連WFP副事務局長
「ガザ市内からジャバリアへ向かう途中、破壊の状況は信じられないものでした。ガザ北部では、ひとつとして無傷の建物はなく、頭上ではドローンがブンブンと音を立てながら飛び交い、絶えず砲撃が続いていました」とスカウは言います。「人々はトラウマを抱え、疲れ果てています。夫を亡くしたある女性は、この戦争は250日続いているが、まるで250年のように感じる、と私に話しました」。
ガザ地区内の無法状態がカルム・アブ・サレム/ケレム・シャローム検問所からの物資の配送を妨げており、南部および中部ガザ地域で紛争が拡大する中、国連WFPのスタッフが現地で高まるニーズに応えるほどの規模の支援物資を届けることが、不可能に近い状況になっています。
「私たちの仕事をすることがますます難しくなっています。職員は毎日5~8時間、検問所で待機しています。衝突を回避するとしているにも関わらず、私たちの施設をミサイルが襲います。法と秩序の崩壊により、広範な治安の空白地帯で略奪や暴力に直面しています」と、スカウは付け加えました。
国連WFPはガザ南部が近いうちに、かつて北部であったような壊滅的なレベルの飢餓に陥ることを懸念しています。
「ガザ南部の状況は急速に悪化しています。ラファから100万人が追い出され、焼けつくすような灼熱の中、住民はビーチ沿いの密集地帯に閉じ込められています。私たちは下水の川を車で通り抜けました」と、スカウは述べました。
ガザ北部では国連WFPとパートナーが、西エレズ検問所を通じて供給物資を届けることで、支援が改善されています。新鮮な食料品の流通を確保するために、この支援を継続し、規模を拡大していく必要があります。清潔な水、医療、パン工場用の燃料、医療品へのアクセスも、食料安全保障のために必要不可欠です。「しかし何よりも、人々はこの戦争が終わることを望んでいます。それは私たちも同じです」と、スカウは付け加えます。
「国連WFPは市場が機能するよう支援し、人々が生活を立て直せるよう現金を通じた支援をどう実施できるかを検討しています。緊急支援は依然として極めて重要ですが、希望の種をまいていく必要もあります。市場やパン工場を支援し、命をつなぐための食料を供給するだけに留まらず、水の衛生や基本的な医療ニーズを支援することも必要です。このように基本的な食料ニーズを満たす以上の、より尊厳ある形の支援を取り戻すことができます。私が11月の前回の訪問で出会った人々は怒っていました。今では彼らは疲れ果て、ただただこの戦争が終わることを望んでいます」。
副事務局長は、ヨルダン川西岸、ガザ、およびエルサレムを3日にわたって訪問し、国連WFPの職員、パートナー、およびパレスチナの人々と会って話をしました。
国連WFPは5月にヨルダン川西岸とガザで100万人以上のパレスチナ人を支援しましたが、アクセスの制約や食料庫の在庫の減少により配給量が減少しました。
国連WFPは引き続き、即時の停戦と、命を救う支援物資を届けるための安全で持続的なアクセスの確保を呼びかけています。
高解像度の写真はこちらから。
ビデオ映像はこちらから。
# # #
国連世界食糧計画(WFP)は世界最大の人道支援組織であり、緊急時に命を救い、食料支援を通して、紛争や災害、気候変動の影響から立ち直りつつある人びとのために平和、安定、繁栄への道筋を構築しています。