国連WFP、資金不足でシリア人への食糧支援削減
アンマン発-国連WFPは現在、シリア国内およびシリア周辺国で、600万人近くのシリア人に対し食糧支援を行っていますが、資金不足により食糧支援の削減を迫られています。
シリア国内では避難している人々400万人に対する食糧支援を続けますが、10月の配給は量が減り、推奨されている栄養価の6割以下しか摂取できません。11月にはさらに配給量が減る見通しです。12月以降、シリア国内で支援活動を継続するための資金はまだ全く集まっていません。
また、ヨルダン、レバノン、トルコ、イラク、エジプトの周辺5カ国に逃れたシリア難民に対しては食品店で食糧と引き換えられる券を配布していますが、この支援を受けられる人数を減らしたり、また食糧引換券の額を減らしたりせざるを得ない状況です。
国連WFPシリア危機担当・地域緊急調整官のムハンナド・ハディは、「この2~3日中に多額の活動資金を得られなければ、食糧支援活動を縮小せざるを得ないという危機的状況です。」と話しました。
国連WFPの活動資金は、全て政府、企業、個人などからの任意の拠出金・募金でまかなわれています。国連WFPが追加資金を得られなければ、人々は搾取にさらされ、生きるために物乞いをしたり、子どもを働きに出したり、または、女児を早期結婚させたりすることが考えられます。
国連WFPが今年末まで活動を行うためには、3億5,200米ドルを必要としています。そのうち、9,500万米ドルがシリア国内での活動に、残りの2億5,700万米ドルが近隣諸国で暮らすシリア難民の支援に必要な額です。