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国連WFPは紛争と飢餓を関連づける国連安保理の決議を称賛

国連WFPは紛争と飢餓を関連づける国連安保理の決議を称賛
2018年5月24日 ニューヨーク―WFP国連世界食糧計画(国連WFP)の事務局長は本日、世界の紛争によって誘発される飢餓撲滅への道を開く決議を初めて採択した国連安全保障理事会のリーダーシップを歓迎しました。

「今日の安全保障理事会の投票は、何億人もの人々の繁栄と平和の道を阻んでいる紛争と飢餓のサイクルを絶つための大きな前進です」とデイビッド・ビーズリー事務局長は述べました。 「安全保障理事会は、食料安全保障が平和と安全保障をもたらす上で不可欠な要素であると認識しました。私たちは、世界中の紛争の結果でもあり要因でもあるという食料安全保障の役割に焦点を当てる安全保障理事会における今後の機会に期待しています」と続けました。

世界では、慢性的な飢えに苦しむ8億1,500万人のうち60%が紛争地域に住んでいます。これは、4億8,900万人の人々が人の手によって生み出され、防ぐことができるはずの飢えに苦しんでいることになります。特に子どもたちは悲惨な犠牲を払っています。1億5,500万人の世界の飢えた子どもたちのうち、紛争の影響を受ける国々に住んでいる子どもたちは1億2,200万人に上ります。

今年3月に発表された最新の「世界食糧危機報告書」によると、過去2年間で深刻な食料不安を抱えている人の数は55%増え、8,000万人から1億2,400万人に増加しました。紛争と不安定さが、深刻な食料不安を抱えている7,400万人の飢餓の主な要因となっています。飢餓が深刻なとき、それは生命や生活をし直接的に脅かすものとなります。

「私が訪れたすべての紛争地帯で私が話した人々は平和を求めるのと同様に食べ物への支援を求めていました。」とビーズリー事務局長は述べています。 「私たちは過去何十年にもわたり飢餓に対する進歩を遂げてきましたが、今では後退しています。これは人々が互いに撃ち合うことを止めないからです。多くの人々が苦しんでいる地域で、飢えを止め、平和や安定、持続可能な発展を実現するために、私たちと協力して本日の安全保障理事会の行動の上に共に築き上げていくグローバルリーダーが必要です。」と続けました。

安全保障理事会決議2417(2018)は、「進行中の武力紛争と暴力が人道的な打撃をもたらし、効果的な人道的対応を妨げ、よって飢きんのリスクの主な原因となっていることへの深刻な懸念」を強調しています。

この決議は、武力紛争のすべての当事者に対し、農業、市場、工場、水道などの食料の生産と配給に必要な用具の整備を含め、国際人道法に基づく義務の遵守を訴えています。またこの決議は国際人道法によって禁じられ、「戦争犯罪の構成要素となる可能性のある」、戦争の手段として一般の民間人を飢えさせる行為を強く非難しています。

この決議は、各国の状況に関する定期的な報告の一環として、武力紛争下にある国々における飢きんと食料不安のリスクについての情報を継続して提供することを国連事務総長に求めています。

コートジボワール、クウェート、オランダ、スウェーデンが支持したこの決議は、安全保障理事会の15のメンバーによって満場一致で採択されました。ビーズリー事務局長は一年にわたりこの問題に関する国連の重要な議論を率いたオランダとスイス政府に特に感謝の意を示しました。

 

追加資料:「平和を勝ち取る:飢えと不安定