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干ばつのサヘルで食糧難が深刻化

ダカール発:WFPは、西アフリカのサヘル地域東部で、9月の収穫期が訪れるまでに1,000万人が飢餓に陥る危険性があると警告した。



カメルーン北部にて。WFPはカメルーンで2011年4月まで34万人を対象に緊急支援を行う。

(C)WFP/Stephanie Savariaud

トーマス・ヤンガWFP西アフリカ地域局長は、「最貧困地域の一つであるサヘル地域の人々は、作物や家畜を失い、深刻な食糧難に陥っています。農村からは、飢えた人々が食糧を求めて都市へと移動してきています。女性や子どもたちの栄養不足はとりわけ深刻です」と話している。

各国政府や人道支援機関、NGOの支援は行われているものの、マリ東部、カメルーン北部、チャドやニジェールでは事態は極めて深刻だとヤンガ氏は言う。干ばつ被災者360万人への支援をWFPが計画通り実施するには、さらに多くの資金が必要とされている。

各国の現状は以下の通り。

ニジェール:

ニジェール政府が今月行った調査によると、人口の約半分が食糧不足に陥っている。330万人が深刻な飢餓に苦しみ、残りの380万人も充分な食糧を確保できていない状態。WFPは現在、最も状況が深刻な地域で人々の命を救い、栄養状態を改善するため、230万人を対象に、食糧支援を行う計画。この事  業を実施するには2010年5月から12月にかけて、1億2,500万ドルの資金が必要である。

チャド:

農産物の不作により、200万人に支援が必要。非常に深刻な栄養失調が報告されている。WFPは、西部と中央部で干ばつ被災者70万人に向けて緊急支援活動を開始した。

カメルーン:

北部における2009年の収穫は、過去5年間の平均より10パーセント低く、昨年より19パーセント低くなっている。家畜の水飲み場も、例年より早い時期から干上がっている。WFPは、最も干ばつの影響が大きい33万9千人を対象に、2010年6月から2011年4月まで緊急支援を行う。

マリ:

北東部において、雨季が例年より遅れ、降り方も収穫時期にかけて不安定な状態が続いたため、農作物や家畜が被害を受け、20ヵ所以上で非常に深刻な食糧不足が報告されている。最も深刻な被害を受けた25万8千人が、政府やWFPなどから緊急食糧支援を受けている。