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アフリカの角地域が再び危機的な状況に

アフリカの角地域が再び危機的な状況に
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ローマ発

WFPは、アフリカの角と呼ばれる地域(エチオピア、ケニア、ソマリア、ウガンダの一部、ジプチ)が再び危機的な状況に陥っていると警告した。この地域では、長期間続いている干ばつ、雨不足、紛争、現在も途上国で高止まりしている食糧価格の影響などにより、飢餓状況が悪化している。

WFPのアフリカの角地域への特使、ラミロ・ロペス・ダ・シルバは、「非常に深刻な危機が日に日に近づいています。アフリカの角地域の状況は改善されるどころか、悪化しています。最も弱い立場へ置かれている人々を救済するために、私たちはあらゆる手段を尽くす必要があります」と、警告する。

WFPは同地域で1,700万人を対象に食糧支援を展開しているが、その活動資金は不足している。この地域の人々は、長期に渡る干ばつや紛争、食糧価格高騰といった厳しい状況を生き延びるために家畜を手放す人もおり、人道支援はこういった人々にとって不可欠となっている。

「人々は自分たちの生活が急速に悪化していることを肌で感じています。干ばつや紛争など、自分たちではどうすることもできない要因が、人々を極貧の生活へ追いこんでいるのです」と、ロペス・ダ・シルバ特使は話している。

エチオピア、ケニア、ソマリアでは雨不足が続いており、作物の収穫に大きな影響が出ている。ソマリアでは数多くの家畜が死亡したと報告されている。

食糧価格は高止まりが続いており、人々の生活を直撃している。ソマリアの一部の地域では、今年始め、穀物価格が通常価格より8倍であり、ケニアでは3月のトウモロコシ価格が去年より43%も高かった。

出稼ぎ労働者による外国からの送金も、経済危機の影響により減少した。都市部の貧しい人々は、収入が伸び悩み雇用状況も厳しい中、生活必需品のインフレと戦っている。

アフリカの角地域で極めて厳しい状況が続く中、WFPは2009年後半の6ヶ月間で約4億5000万ドルの活動資金が不足する見通し。ロペス・ダ・シルバ特使は、「WFPは、限られた資金を創意工夫しながらすでにアフリカの角地域の多くの人々を支援してきました。しかし、今後の資金不足が非常に心配です。国際社会がこの危機的な状況に迅速に反応してくれることを強く望みます」と語った。

アフリカの角地域における資金不足の内訳は以下の通り。

支援国:支援対象者(不足額)

エチオピア:860万人(1億2,320万ドル)
ケニア:370万人(1億6,850万ドル)
ソマリア:350万人(8,460万ドル)
ウガンダ:110万人(6,560万ドル)
ジブチ:15万人(670万ドル)

現地の様子のビデオはこちら