「アフリカの角」が危機的状況に
アフリカの北東部に位置する「アフリカの角」と呼ばれる一帯では、干ばつと食糧・原油高の影響があいまって、
大規模な飢餓が発生しています。現在の段階ではエチオピア・ソマリア・ウガンダ・ケニア・ジブチの5カ国で
計1450万人が食糧支援を必要としていますが、9月から10月にかけての雨季に雨が降らなければ、
さらに支援を必要とする人の数が増える恐れがあります。
(以下、国ごとの概要)
エチオピア
人々は食事の回数を減らしたり、家畜を売ったり、子どもを退学させて働かせたりして何とか
苦境を切り抜けようとしています。現在は700万人以上が支援を必要としていますが、WFPは資金難のため
最近、配給する食糧の量を3分の1に減らすことを余儀なくされました。
ソマリア
干ばつ、紛争、インフレ、食糧・原油価格の高騰が重なり、状況は悪化の一途をたどっています。
支援を必要とする人は、今年の1月以降で4割以上増え、260万人に達しています。このままでは、
大飢饉が発生した1992年-93年来の危機的状況に陥る可能性があります。
ウガンダ
北東部のカラモジャ地方では雨季に雨がしっかり降らなかったため、9割以上の農民が耕作を断念しています。
カラモジャ地方では3年連続の凶作となってしまいました。WFPは70万人を対象に支援を行っていますが、
資金不足のため、配給食糧の量を削減せざるを得ない状態が続いています。
ケニア
今年に入ってから主要穀物の値段が5割以上上昇。昨年末の大統領選挙をめぐる混乱で避難生活を
送る人もいまだ多く、さらに干ばつの影響も重なり、100万人以上が支援を必要としています。北部のツルカナ
地方では5歳未満の子どもの急性栄養失調率が30%にまで迫っています。
ジブチ
3年連続の干ばつに食糧価格の高騰が重なり、食糧難に陥った人が急増しています。
特に牧畜民への影響は深刻です。職を求めて多くの人々が都市部へ流入していますが職はなく、
生活環境は劣悪で、水も電気も通っておらず、医療や教育を受けることもままなりません。