国連WFPは、壊滅的な被害をもたらした台風22号(ライ)に対するフィリピン政府の対応を支援
「私たちの思いは、現在進行中の新型コロナウィルスの大流行、そして今回の破壊的な台風という多くのことを乗り越えてきた家族の皆さんと共にあります。国連WFPは気候危機の最前線で生活する人びとと共に立ち向かいます。政府のリーダーシップの下、私たちはコミュニティがこの試練から立ち直り、将来のショックに対する回復力を高め続けるために必要なことを行っていきます」と国連WFPフィリピン事務所のブレンダ・バートン代表は述べました。
フィリピン南東部の北スリガオ州シャルガオ島に上陸した台風22号(現地名:オデット)は、豪雨、強風、高波、土砂崩れなどをもたらしました。中南部9地域を通過した後、12月19日にフィリピン域を外れ、大規模な被害の跡を残しました。この暴風雨により、180万人以上の人びとが生活や生命に影響を受け、そのうち60万人以上が家を失い、避難所で生活しています。
12月20日現在、台風の進路に沿った多くの地域で、電力や通信が途絶えたままとなっています。交通手段も限られているため、救援活動にも支障をきたしています。この台風は、多くのフィリピン人が新型コロナウィルスの流行に関連した困難に直面しており、彼らの対処能力を限界まで引き伸ばしている最中に襲来しました。
国連WFPの協力のもと、政府の情報通信技術局(DICT)は、ブトゥアン、ダバオ、タクロバンの各拠点から、スリガオ市とレイテ島マアシン市の被災地に新たに建設された緊急用移動運用車(MOVE)3台を迅速に配備しました。スリガオ市では、台風で通信インフラが損なわれたため、2つのMOVEユニットが政府の調整と対応に接続する最初の手段となりました。国連WFPのITスタッフは、シャルガオ島でのポータブルMOVEセットの設置を支援し、現在ディナガット島でも活動しています。
これらのユニットは、国連WFPがDICTと共同で設計・製作した6台のMOVEユニットの一部で、緊急事態発生時の通信能力を強化することを目的としています。
国連WFPは、DICTと社会福祉開発省(DSWD)に対し、遠隔地での当局の対応を調整するための携帯型衛星通信機器12台を、スリガオ市の物流ハブ設立のために移動式倉庫2台と発電機を寄贈しました。また国連WFPは、DSWDの家族食料パック70,400個を被災地に輸送するための重要な物流支援も行っています。
国連WFPと人道支援パートナーは、台風22号によってすでに被害を受けた地域にさらに影響を与える可能性のある別の暴風雨の発生を注意深く監視しています。国連WFPはFAOと連携し、食料安全保障・農業クラスターの対応計画を起草しています。
国連機関、NGO、民間セクターのパートナーによる協調的な対応の一環として、国連WFPは政府への通信・物流支援を継続し、今後2週間でこの重要な支援のために31万米ドルを必要とする予定です。
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WFP国連世界食糧計画(国連WFP)は、2020年のノーベル平和賞を受賞しました。 私たちは世界最大の人道支援組織であり、緊急時に命を救い、食料支援を活用して、紛争や災害、気候変動の影響から立ち直った人々のために平和、安定、繁栄への道筋を構築しています。