「学校は私たちの未来の唯一の希望です」
ルワンダの子ども達の夢を育む
イヴェット・ドゥサベ(27歳)は、キジバ難民キャンプ内にあるケプラー大学のプログラムの学生です。13歳の時に両親と兄弟と共に故郷のコンゴ民主共和国から逃れてきました。
「故郷では何不自由ない生活をしていました。土地や家畜、立派な家もあり、父は私たちを車で学校まで送ってくれていました。当時の生活が恋しいです。」イヴェットは言います。 イヴェットは教育こそが良い暮らしの基盤であるという考えのもと、キャンプ内に住む家族に子ども達を学校へ行かせるよう奨励しています。「子どもたちはこのおかゆによってお腹が満たされ、しっかり学ぶことが出来て幸運です。」イヴェットは話します。小学校へ通う子ども達はみな、国連WFPが毎日配る栄養たっぷりなおかゆを食べることが出来るのです。彼女は、薬物乱用や若年妊娠などのキャンプ内における深刻な社会問題の削減に学校が重要な役割を果たすと考えています。
キャンプ内の大学生、エリー・ンダギジマナ(22歳)もイヴェットと思いを共にしています。「小さなコミュニティの中で高等教育を受けた私たちは、親が子どもたちを学校へ行かせるよう啓発する役割があります。今の生徒たちはおかゆを食べられるので、一日中元気でいられてラッキーです。学校は私たちの未来の唯一の希望なのです。」
未来への希望を育む学校給食
学校給食は57,400人の小学生の男女に配られています。その21パーセントが地元ルワンダの子どもたちで、残りが6つのキャンプ内、そしてキャンプ周辺にいる難民の子どもたちです。 「僕はこのおかゆが大好きです。食べるととても元気になり、大学までしっかり勉強できる気がします。おかゆなしで勉強することは、想像できません」と、アレクシス・ムシミマナ(9歳)は言います。彼の夢は、コンゴ民主共和国の大統領になって、母国を平和と発展に導くことです。 食べものが子どもたちへもたらすポジティブな影響は、教員の目から見ても明らかです。 「おかゆのお陰で、子ども達は以前のように終日ぐったりしていることがなくなりました。退学者の数もおよそ80%減少し、大きな変化が見られます」と、20年以上教員として勤め、キジバ小学校の現校長であるアナトール・キザは言います。
インパクトの波及
学校給食支援の恩恵を受けているのは生徒たちだけではありません。難民の家族にも雇用の機会を提供しているのです。未亡人であるマルシアンヌ・ムカガタレ(40歳)は5人の子供と共にキジバに住んでいますが、彼女は国連WFPがADRAの協力のもとキジバキャンプ内で実施している学校給食プログラムに雇用された56人の一人です。 「この機会を得たことで、私は子ども達に衣類を与え、色々なものを食べさせることができます。キャンプ内の家族にとって容易ではないことです」とマルシアンヌは言います。彼女は学校のキッチンの清掃で、月に20ドル稼いでいます。
ルワンダにおける国連WFPの難民支援
ルワンダにいる難民は、生計を立てる術が依然限定的であるため、食料支援に大きく依存しています。彼らは、スキル不足、小規模事業を立ち上げたり拡大したりするためのローンや起業資金へのアクセスの制限、労働市場における地元コミュニティとの機会と労働賃金の格差などに阻まれ、自立が困難です。学校給食支援のほか、国連WFPは毎月世帯ごとに食料配布をしています。コンゴ民主共和国からの難民を受け入れている5つのキャンプでは食料を買うための現金が支給されている一方で、ブルンジからの難民を受け入れているキャンプでは、現金と食料の両方が配られています。更に、6カ月から2歳になるまでの子どもたち及び、妊娠・授乳中の母親全員に対し、スーパーシリアルプラスという栄養不良を防ぐための特別なおかゆが配られています。5歳までの中度の急性栄養不良の子どもたち及びHIVや結核患者に対しては、治療のための更なる栄養支援が行われています。 日本をはじめ、アメリカ、イギリス、EU、ベルギーからの温かなご支援が、これらの活動を支えています。