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ケニアにおいて、「形が不揃い」ということを理由に廃棄されていた野菜を使った栄養豊かな学校給食が提供されています。栄養価の高い食事を提供しつつ、食料廃棄を減らすという二重の目的を果たしています。
輸出用として生産された野菜の内、「形が不揃い」ということを理由に廃棄されていた野菜を使った栄養豊かな学校給食が、ケニアにおける学校給食支援の一環として提供されています。これまでの4カ月間で、生徒2,200人の学校給食75日分に相当する5トン以上の廃棄されるはずのサヤインゲン、サヤエンドウ、スナップエンドウ、そしてブロッコリーが給食に使われ、子どもたちの栄養となっています。
毎日、ケニアの農場で輸出用に生産された75トンの農産物が、見た目が不揃いであるというだけで廃棄されています。これはトマトで換算すると60万個分にあたり、外見が悪くても美味しく食べられるものですが、そのほとんどが廃棄されています。 「これらの野菜は形が悪かったり、包装に適さないサイズであったり、単に傷ついているだけで、他の作物と変わらずに栄養価に富み、消費にも適しています」と国連WFPケニア事務所の栄養士である、ディナ・アブルミシャンは話します。
今年1月、国連WFPはこれらの規格外野菜を学校の給食プログラムに充てる試験事業を開始。国連WFPの技術革新を促すチームや、オーストラリア政府の支援も受け、ナイロビ郊外の3つの学校で、給食が通学の動機になっている子どもたちへ栄養価の高い食事を提供しながら、同時に、食料廃棄を減らすという二重の目的を果たしました。
規格外野菜が、子どもたちを学校に引き留める力に
規格外野菜を学校給食に採用するため、国連WFPは協力企業のサポートを受けながら、 主に欧州市場に農作物を輸出している2社をこのプロジェクトに結び付けました。 これにより、2社で発生していた規格外野菜は捨てられる代わりに、その一部が国連WFPと契約して学校給食を提供するナイロビのケータリング会社に送られ、そこで調理、3つの学校に配給されました。
ナイロビから東に約12キロ離れた非正規の学校であるリトル・ベル小学校の代表エヴリン・ムデニョは、子どもたちを学校に引き留める給食の力を強く信じていると語ります。「学校給食がなければ、子どもたちは学校に通うことをやめてしまうかもしれません。また、給食に緑黄色野菜が追加されることで、栄養価が向上するので助かります」。
さらに、新しい給食メニューは児童にも喜ばれています。「私の両親は早朝に出発し、夕方まで戻らないので、学校で昼食が出なければ、夜まで何も食べられません。野菜は栄養価が高く健康に良いですし、これまでの給食よりずっとおいしいです。」と、10歳のカレブさんは話してくれました。
持続可能な学校給食を目指して
国連WFPはこの試験事業で学んだ教訓を活かし、学校がこの安価な野菜を手に入れられるように、生鮮食品の輸出業者との新しい協力方法を模索する一方、食料廃棄の問題にも取り組む予定です。
今回は、第1段階としてケータリング会社に調理を委託する形で実施しましたが、第2段階では、試験的に学校内において給食を調理することを検討しています。
「子どもたちは野菜が本当に好きだと感じます」とディナ。「これから私たちは、この廃棄されていた安価で新鮮な食材を活用して、手ごろで持続可能な学校給食を提供する方法を見つけなくてはならないのです」。