「学校給食を家庭で」6万人の子どもたちに届ける食料支援―コンゴ共和国
新型コロナウイルスによりコンゴ共和国の学校が閉鎖されてもなお、国連WFPと現地の教師たちはたちが毎日の食事を確実に受け取れるよう努めてきました。

新型コロナウイルスの危機が始まったとき、世界の児童の90%が家に帰されました。学校が閉鎖されたことで、子どもたちは教育や食事、栄養、健康などの重要な支援を受けられなくなりました。
国連WFPの学校給食部門が制作したポッドキャスト「学校給食を家庭で」の第1話では、国連WFPのコンゴ共和国事務所代表であるジャン・マルタン・バウアーが、コンゴ共和国の学校が閉鎖されたときに何が起こったのか、また、緊急事態が終わった後に子どもたちが学校に戻れるようにするにはどうすればいいのかについて、彼の懸念を語ってくれました。
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コンゴ共和国では、3月中旬に学校が閉鎖されました。政府は迅速に行動し、テレビ、ラジオ、新聞を通じて授業をことで、子どもたちが家庭での学習を継続できるようにしました。政府にとっての重要な優先事項は、学習を止めないことでした。
しかし、一度学校が閉鎖されると、何百万人もの子どもたちが学校給食を食べることができなくなりました。多くの場合、特に貧しい家庭の子どもたちにとって、これは一日で唯一の食事を失うことを意味しました。
国連WFPは政府と共同で「学校給食を家庭で」という取り組みを開始しました。この取り組みでは、340以上の学校で61,000人以上の子どもたちが、学校給食と同等の量を自宅持ち帰り用の食料支援として受け取りました。国連WFPは教師やパートナーと協力して、配達の際にはソーシャルディスタンスや衛生面での配慮を行いました。例えば、ユニセフは学校に手洗い場を設置し、子どもたちや親が配給を受け取りに来た際に使用できるようにしました。
「私はブラザビルから60キロほど離れた場所の、と言いましても最も遠隔な場所ではありませんが、ある学校を訪問しました。その学校の校長先生は、一ヶ月以上子どもたちに会っていないと言っていました。子どもたちは目に見えて痩せてきていると彼女は語りました。これは、子どもたちにとって給食がいかに重要であるかを示していると思います。学校給食がなければ、子どもたちは飢えてしまいます。学校給食としてではなく、家庭での食事という形になりましたが、学校を通じて配布を再開できたことは、大きな違いをもたらしました。」
ジャン・マルタン・バウアー, 国連WFPコンゴ共和国事務所代表

学校は9月に再開する予定ですが、国連WFPのおもな関心事は、子どもたちが教室に戻って教育を再開できるようにすることです。しかし、コロナウイルスによるコンゴ経済へ影響は壊滅的であり、多くの子どもたちが学校に戻れなくなる危険性があります。
学校給食は、子どもたちが学校に戻って教育を受けられるように、家庭を支援する大きな励みになります。国連WFPはまた、地域経済を支える学校給食支援のために、地元の農家から食品を購入することを強化します。
学校が再開されると同時に、キャッサバとピーナッツを使った栄養価の高い美味しいおやつ「ムバラ・ピンダ」が子どもたちに配布されます。このおやつは100%地元で生産されたもので、子どもたちに栄養を与えるだけでなく、地元経済の活性化にもつながります。

国連WFPは、学校給食支援で各国政府を支援する国連の主要機関として、児童が健康で安全に学べる環境を各国がいかにして模索しているかをお届けしていきます。今後もご注目ください。