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WFPの食料支援を変革する5つのイノベーション

イノベーションは、飢餓に立ち向かうWFPの活動を支える重要な柱です。ここでは、支援の現場で実際に成果を上げている5つのイノベーションをご紹介します。
, WFP Staff
A child sits at a classroom table eating a meal from a divided tray, with other children eating at desks in the background.
ウクライナのザポリージャで食事をする子ども。戦争のため、授業は地下で行わなければなりません。スクール・コネクトは、WFPが学校給食プログラムを管理・モニタリングするのに役立っています。 Photo: WFP/Sayed Asif Mahmud

人工知能からデジタル登録、ブロックチェーンまで、WFPは、より多くの人びとに、より効率的に支援を届けるため、実用的なイノベーションの活用を拡大しています。

人道支援のニーズが利用可能な資金を上回り続ける中、WFPが支援を届け、ますます複雑化する危機に対応し、限られた資金を最大限に活用するうえでイノベーションとテクノロジーは、欠かせないものとなっています。
こうした取り組みの多くは、WFPの職員やパートナー組織と連携して取り組みを実施し、世界規模での展開を支援する「WFPイノベーション・アクセラレーター」によって推進されています。

1. スカウト(SCOUT):人工知能を活用したWFPの食料輸送の改善

スカウト(SCOUT)は、WFPが世界各地のサプライチェーンをより効率的に計画するための人工知能ツールです。食料をどこで調達し、どこに保管し、どのように届けるかを決める際に、価格、輸送コスト、調達・輸送にかかる時間、アクセス上の制約などを考慮して、意思決定を支援します。

このツールは、西・中央アフリカと東・南部アフリカですでに導入されています。購入時期や最適な保管場所を見直すことで、18か月間で620万米ドルのコスト削減を実現しました。これは、30万人に1か月間、命を守るための食料支援を届けられる金額に相当します。年間では最大2,500万米ドルの削減が見込まれており、同じ資金でより多くの人びとに支援を届けることが可能になります。 

2. サンク(Sanku):地域市場を通じて食品への栄養強化を拡大

サンク(Sanku)は、地域のトウモロコシ製粉所と連携して栄養の改善を目指す食品栄養強化の取り組みです。製粉業者に、小型で低コストの栄養強化装置とシンプルなデジタル監視システムを提供し、製粉時に必須ビタミンやミネラルを小麦粉に直接加えられるようにしています。

タンザニアにあるサンクの工場では、高品質なビタミンやミネラルを配合した栄養剤を生産し、国内の製粉業者のほか、ケニアやエチオピアの製粉業者にも手軽な価格で供給しています。東部アフリカでは、2025年に5,930万人がこの取り組みの対象となり、日々の食生活で不足しがちな重要な微量栄養素を補うことに貢献しました。

Three people sift grains through woven trays at a processing site, with buckets nearby as grain falls onto the ground beside a brick wall.
タンザニアのモロゴロにある製粉所で、トウモロコシを扱う女性たち。サンクを活用することで、製粉の過程で小麦粉に必須ビタミンやミネラルを直接加えることができます。Photo: Leah Kidd

3.スクール・コネクト(School Connect):WFPの学校給食プログラムをデジタル化

スクール・コネクト(School Connect)は、学校給食プログラムをリアルタイムで管理・モニタリングするためのデジタルプラットフォームです。学校職員は、使いやすいモバイルツールを使って、食料の納入状況や在庫量を記録したり、出席状況や給食の利用状況を入力したりできます。

現在、アフガニスタン、コートジボワール、ホンジュラスなど26か国の1万1,000校で導入されており、政府やWFPのチームが360万人の子どもたちに向けた3億5,000万食の学校給食をモニタリングするのに役立っています。報告作業の簡略化と時間削減、管理体制の強化により、このプラットフォームは2年間で360万米ドルを削減すると同時に、学校給食への投資に対する説明責任を強化しました。

4. ピープル・ポータル(People Portal):より迅速な食料支援のためのデジタル登録

ピープル・ポータル(People Portal)を利用すると、危機の影響を受けた人びとがWFPの支援を受けるための登録を自分で行い、登録情報を更新したり、最新情報をリアルタイムで受け取ったりできます。インターネット接続が不安定な環境でも利用できます。また、WFPが保有する自分のデータを確認・管理できるため、透明性と信頼の向上にもつながります。

ガザでは、ピープル・ポータルによって2025年に200万人のデジタル登録が実現し、アクセスを迅速化すると同時に、940万米ドルの運営コストを削減しました。人手のかかる現場での登録への依存を減らすことで、迅速性と正確性が向上しています。現在はパレスチナのほか、エクアドル、スーダン、ウクライナでも活用されており、年間1億1,500万米ドルのコスト削減が見込まれています。

A person scans a QR code on a printed notice using a mobile phone at a crowded assistance site, while others wait near a counter indoors.
ガザのデイル・アル・バラにあるWFP契約のスーパーマーケットで、WFP職員が利用者に自己登録の方法を説明しています。WFP/Photolibrary

5. ビルディング・ブロック(Building Blocks):ブロックチェーン技術を活用した人道的な現金支給

WFPのブロックチェーンを活用したプラットフォーム、ビルディング・ブロック(Building Blocks)は、個人データを保護しながら、人道支援団体がより効果的に連携して支援を行えるようにするものです。一人ひとりに固有のブロックチェーンアカウントが割り当てられ、各支援組織はどのような支援がすでに提供されたかを確認できます。これにより、支援の重複を減らし、透明性を高めるとともに、複雑な緊急事態において、より公平に支援を届けることができます。

このプラットフォームは、不適切な重複支援などを防ぐことで2022年以降2億8,800万米ドルを削減し、そのうちウクライナだけでも2億7,000万米ドル以上の削減を達成しました。ウクライナ、シリア、パレスチナの159の支援組織で利用されています。

A person scans a QR code on a printed notice using a mobile phone at a crowded assistance site, while others wait near a counter indoors.
バングラデシュのダッカ郊外にある市場で、店主が利用者のQRコードを読み取っています。これにより、人道支援機関は、どのような支援が提供されたかを確認できます。 Photo: WFP/Lena von Zabern 
これらをはじめとする取り組みについて、詳しくはWFPイノベーション・アクセラレーター 2025年活動報告をご覧ください。

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