台風22号(ライ):国連WFPがフィリピンの通信・物流を支援
WFP国連世界食糧計画(国連WFP)は、今年フィリピンを襲った最強のサイクロン、台風22号(ライ)に対応する人道支援機関の一つです。台風は先週木曜日(16日)に発生し、通信回線や供給ルートを寸断し、少なくとも375人が死亡、約500人が負傷しました。
国連によると、約66万2千人が避難し、41万8371人が避難所に滞在しています。
国連WFPフィリピン事務所ブレンダ・バートン代表は、「現在進行中の新型コロナウィルスの大流行、そして今回の壊滅的な台風と、大変な経験をされたご家族のことを思っています」と述べました。「国連WFPは気候変動の最前線で生活する人々とともにいます。政府のリーダーシップのもと、コミュニティが今回の試練から立ち直り、将来のショックに対する回復力を高め続けられるよう、私たちはできる限りの支援を行っていきます」
国連WFPのプレスリリースによると、23,000ヘクタールの農地が破壊され、12,750人の農家が影響を受けたとされています。「台風ライは稲作が収穫されようとしているときに襲来し、作物の損失は最も貧しい世帯の問題をさらに悪化させるだろう」といます。「栄養不良と食料不安は多くの場所で高く、特にカラガ地方は台風の影響を最も受けています」
地元では「オデット」と呼ばれるこの台風は、観光客に人気のある島、シャルガオ島に上陸し、豪雨、強風、高潮、土砂崩れをもたらしました。家屋の倒壊、道路の浸水、コミュニティの寸断などの被害が出ています。
中南部9地域を通過した後、12月19日(日)にフィリピン域を離れ、破壊の跡を残しています。180万人以上が被災しています。
12月20日(月)現在、台風の進路に沿った多くの地域で電力や通信が途絶え、交通障害により緊急対応者の努力も妨げられています。フィリピンの人びとはすでに、現在進行中の新型コロナウィルスのパンデミック制限という難題に悩まされており、対処メカニズムを限界まで引き伸ばしています。
政府の情報通信技術省は、国連WFPとの協力のもと、ブトゥアン、ダバオ、タクロバンの各拠点から、スリガオ市とレイテ島マアシン市の被災地に、新たに建設した緊急用移動運用車(MOVE)3台を迅速に配備しました。
MOVEは、通信インフラが損傷した後、政府の調整と対応を可能にする重要な接続を提供しています。
現地にいる国連WFPのITスタッフは、シャルガオ島でポータブルMOVEセットの設置を手伝い、現在はディナガット島で作業中です。
これらは、このような緊急時の通信能力を強化するために、国連WFPが政府と共同で設計・製作した6台のムーブユニットの一部です。国連WFPは、遠隔地からの対応を調整するための携帯型衛星通信機器12台と、スリガオ市に物流ハブを設置するための移動式倉庫2台、発電機1台を政府に寄贈しています。
また、国連WFPは政府から支給された70,400食分の家族用食料パックを被災地に輸送するための重要な物流支援も行っています。
国連WFPとパートナーは、台風22号によってすでに被害を受けた地域にさらに影響を与える可能性のある別の嵐の発生を注意深く監視しています。国連WFPはまた、国連の姉妹機関であるFAO(食糧農業機関)と調整し、食料安全保障クラスターの対応計画を起草しています。
国連機関、NGO、民間セクターのパートナーによる協調的な対応の一環として、国連WFPは政府への通信・物流支援を継続する予定です。この重要な支援のために、今後2週間で31万米ドルが緊急に必要とされています。