SOFI報告書: 紛争と気候変動が食料へのアクセスを減少させ、飢餓を増加させる
新たに発表された2022年の国連の統計によると、世界中で7億3,400万人が飢餓の状態にあり、これは2019年よりも1億2,200万人多いとされています。
国連食糧農業機関やWFP国連世界食糧計画(国連WFP)などの機関が先週発表した「世界の食料安全保障と栄養の現状」(SOFI)報告書によると、昨年、世界人口の29.6%、約24億人が食料へのアクセスが制限されたと推定されています。
この数字の中には、悪化し複雑化する紛争のさなか、深刻な食料不安に直面している約9億人が含まれます。
「スーダン(での紛争)は最悪のタイミングで発生しており、残念ながら地域的な影響を及ぼす可能性があります。」こう語るのは、マイケル・ダンフォード国連WFP東アフリカ地域事務所代表です。「チャド、南スーダン、エチオピア、エジプトでは、すでにかなりの人口移動が起きています。」
「つい最近まで、私たちはこの地域が『燃えているようだ』と表現していましたが、今では、この地域に『ガソリンが投下されている』ように感じています。紛争や気候変動により、あらゆる場面で新たな緊急事態が発生しているのです」と彼は付け加えます。
4月にスーダンで紛争が勃発して以来、スーダンから逃れてきた50万人の大半がエジプトにたどり着きました。
イエメン、シリア、そして現在はウクライナを含む長期的な危機対応を担当している、コリンヌ・フライシャー国連WFP中東・北アフリカ・東欧地域事務所代表は、「非常に限られた資金の中で、新たな危機への対応が求められています」と述べます。
‘Unseen and unheard’: Haiti weathers hunger, gangs and climate extremes
「すでにシリアやパレスチナ難民に社会サービスを提供しているエジプトに、さらに大きな負担を強いることになります」と彼女は付け加えます。
「この地域は、食料の輸入に大きく依存しており、ウクライナ戦争の影響を大きく受けて、他の地域よりも状況が悪化しています。食料インフレは30%に達しており、基本的な食料の価格は、何百万人もの人々の手が届かないレベルに達しています」
最も苦しんでいるのは、非産油国の最貧国です。イエメンやシリアのような大規模で長期にわたる危機では、「国連WFPは支援を提供する人々の数を800万人ほど減らさざるを得ない状況にあります」。
「私たちが両国で毎月支援している約2,000万人の人々を支援し続けるには、資金が不足しています」とフライシャー代表は言ます。「これは悲劇的なことであり、私たちのシステムを揺るがすような規模となっています。」
SOFI報告書は、より良い生活を求めてますます多くの人々が都市部に集まるにつれて、憂慮すべき飢餓の増加を伴う都市化の「メガトレンド」を示唆しています。
1月以降、コンゴ民主共和国(DRC)東部だけでも、100万人以上の人々が住む家を追われ、この地域の国内避難民の総数は550万人に達しました。
人口120万人の都市ゴマに最近80万人が流入したことで、「基本的な社会構造があらゆる形態で根こそぎ破壊されている」と、ピーター・ムソコ国連WFPコンゴ民主共和国事務所代表は述べます。世界保健機関は、保健サービスが完全に崩壊し、人々が病気と栄養不良の危険にさらされると警告しています。
A humanitarian last stand: Why conflict and hunger risk being eastern DRC’s main exports
アフリカ大陸や中東地域でも状況は劣悪です。
フライシャー代表は、国連WFPがシリアの250万人への支援を打ち切ることを余儀なくされたことに対する「計り知れない」反応を想起しています。「本当にそれに依存している人々の40%に対する支援を削減しなければならないことは、支援の枠組みにとって衝撃であり、国をはるかに超えて、単なる飢餓をはるかに超えて影響を及ぼす可能性があるでしょう」と彼女は述べます。
「パレスチナは無視された危機です」と彼女は付け加えます。「支援対象者の60%を削減せざるを得ないことに私たちは非常に懸念しています。また、私たちが今サービスを提供している15万人にサービスを提供し続けることができる資金の見通しが立っていません。そして本当に懸念していること、そして誰もが懸念すべきことは、UNWRA(国連パレスチナ難民救済事業機関)も同じ状況にあるということです。」
「国連WFPとUNWRAを合わせると、ガザのGDPの30%を占めます。UNRWAは、十分な額の資金を得られなければ職員の給与も支払われないでしょうし、難民に対する独自の食料支援も行うこともできません。また、パレスチナ自治政府の社会的セーフティネットは現在、大きな財政危機に陥っており、機能していません。もし誰も支援を受けられなくなったら、パレスチナはどうなるでしょうか?」
「これが、すでに非常に不安定で悪化し続ける政治状況において起きていることです」。
さらに悪いことに、「中東・北アフリカ地域には、地元で食料を生産するための水もありません」とフライシャー代表は言います。
「アフリカの角」と呼ばれる地域の干ばつの壊滅的な影響を目の当たりにしているマイケル・ダンフォード代表にとって、水は強く認識している問題です。「5期連続で雨季に少雨だったことで、2,300万人が影響を受け、200万人以上が避難民となり、1,000万頭以上の家畜が死にました」と彼は話します。
「水の安全保障がなければ、食の安全保障は成立しません。これらはすべて、ソマリアのようにすでに紛争が進行中の戦域での話です。」
「このようなショックの相乗効果によって、人々が自分たちのニーズを満たす能力が弱まっているのです。だからこそ、国連WFPは他の団体とともに、レジリエンス(強靭化)プログラムに継続的に投資し、人々がショックを受け止め、他人に頼る必要がなくなるような吸収力を生み出すセーフティネットを構築する必要があるのです。」
「能力開発は私たちが期待していることの1つです」とダンフォード代表は述べます。
「国連WFPは小規模農家と協力し、予期的行動項目の構築に取り組み、あらゆるレベル、特に地域および地方政府の能力開発に取り組んできました」とダンフォード代表は話します。
「強靭化への道のりに勝算があることを確認し、強靭化プログラムが機能することを示す十分に強い事例を構築できることを証明する必要があります」
エチオピアで実証されたように、信頼を育み、維持することも緊急対応には不可欠です。
「エチオピアでの活動は過酷です。現地で横行している‐あるいは横行しているといわれている‐支援物資の横流しのために、人道支援活動の一時停止を余儀なくされました。」
「私たちが届ける食料が、それを最も必要としている人々の手に実際に渡っていることを確信できるよう、すべてのシステムを見直し、強化する必要があると感じています」とダンフォード代表は言います。
「しかし、それは私たち自身、政府、そして支援者に対して、人道的対応を再開できるように、保証プロジェクトをできるだけ早く実施しなければならないというプレッシャーが高まるでしょう。」
国連WFPは今年、世界中の1億7,150万人に支援を届けるために251億米ドルを必要としています。