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ジンバブエ:キノコ栽培は女性農民の自立を促進する

危機と食料不安にさらされている国で、国連WFPとそのパートナーは、農業とビジネスのスキルを人びとに提供しています。
, By Tatenda Macheka
NGOのFuture of HopeとデンマークのDanChurchAidは、国連WFPと協力して、ハラレのエプワースで人びとの生活を変える活動を行っています
NGOのFuture of HopeとデンマークのDanChurchAidは、国連WFPと協力して、ハラレのエプワースで人びとの生活を変える活動を行っていますPhoto: WFP/Tatenda Macheka

ジンバブエで新型コロナウイルスの大流行が発生したことによる悲しい結果として、過去1年間で都市部の飢餓が拡大しています。政府の推計によると、都市部の全住民の約半数、約220万人が空腹のまま毎晩眠りについているといわれています。

 

国連WFPは、世界中で都市部の人びとが緊急事態に耐えられるようにするために、これまで以上の投資を行っています。

 

人口約1,500万人のジンバブエでは、国連WFPは人道的な支援に加えて、コミュニティ内でスキルを高め、長期的に人びとの食料の確保/入手を支援するために、現金給付を行っています。

ジンバブエの首都ハラレの東の郊外にあるエプワースでは、国連WFPから受け取った資金で、ある女性グループがキノコ農場を設立しました。

キノコは収穫してもすぐに生えてきます。Photo: WFP/Tatenda Macheka
キノコは収穫してもすぐに生えてきます。Photo: WFP/Tatenda Macheka

この女性たちは、緊急な対応を必要とする最も弱い立場に置かれたコミュニティの一員です。

 

最初の現金給付を行った結果、キノコ栽培は迅速で効果的な介入方法であり、長期的な自立プロジェクトへと容易に拡大できることがわかりました。

キノコ栽培には大きな労働力が必要ない上に、裏庭があれば十分なので場所もとりません。

使い捨ての「栽培袋」は、4回分のキノコを収穫できます。Photo: WFP/Tatenda Macheka
使い捨ての「栽培袋」は、4回分のキノコを収穫できます。Photo: WFP/Tatenda Macheka

キノコの栽培は、他の野菜栽培の肥料である作物の葉や草などの、地元で入手可能な資源や他の活動の副産物を使用して、約3か月周期で収穫することができます。そのため事業の費用対効果は高くなります。

人びとが消費しない分は売ることができるため、追加の収入を生み出します。

 

キノコには、抗酸化物質や、セレン、葉酸、ビタミンB1、B2、D、カリウムなどの希少な栄養素が含まれています。

必要なのは、菌種と麦わらや綿実の殻、トウモロコシの穂軸など、どこでも手に入る農業廃棄物だけです。湿度と温度のバランスが取れていれば、生産は簡単です。

収穫までに必要なのは30日のため、すぐに再収穫することができます。1つの栽培袋は、廃棄までに最大4回収穫することができます。

自宅のキノコ畑でのキャロラインさん Photo: WFP/Tatenda Macheka
自宅のキノコ畑でのキャロラインさん Photo: WFP/Tatenda Macheka

夫を亡くし7人の子どもを持つキャロライン・チャンガルカさんは、自宅にキノコのバックヤード・ハブを設置している女性グループの一人です。

トレーニングセンターで指導を受けた後、学んだことを自宅で再現するために選ばれた女性グループの一員でした。

ハブで乾燥させたキノコ Photo: WFP/Tatenda Macheka
ハブで乾燥させたキノコ Photo: WFP/Tatenda Macheka 

「キノコ栽培を始める前は、近くの農場で肉体労働をしていましたが、それが負担になっていました。ここには雇用がないので、生活は大変でした」彼女は語ります。

「食事を抜くこともあったし、下の子に同じ教育の機会を与えるために上の子の通学をやめさせたこともありました」

 

「トレーニングは人生の教訓であり、永遠に持ち続けるスキルとなりました。それは私の家族に、食料と収入の両方を提供してくれています。

私はこの裏庭で生産を行っていますが、その成果は十分に発揮されています」と彼女は話します。

 

キャロラインさんは、自分が作ったキノコをもっと大きなビジネスにしていく計画だそうです。

「私たちが栽培しているキノコの種類は、タンパク質が非常に豊富で、市場で人気のある灰色のヒラタケです。生産量が多いときは、キノコの一部を乾燥させて保存しています。」

 

キノコ栽培は、現金支援プログラムの枠を超えて、これら最も弱い立場に置かれた世帯に栄養源と収入源の両方を提供しています。

国連WFPは、デンマークのDanChurchAidとFuture of Hope Foundationを通じて、これまでに700人以上の女性にキノコ栽培のトレーニングを行ってきました。

しかし、現金支給だけでコミュニティを支援することは、持続可能ではありません。国連WFPはECHOからの資金提供を受けて、最も脆弱でリスクの高いコミュニティの生計強化を支援しています。

 


キノコ料理の紹介
乾燥キノコのピーナッツバター和え Photo: WFP/Tatenda Macheka
乾燥キノコのピーナッツバター和え Photo: WFP/Tatenda Macheka

 

キノコは、ジンバブエの多くの料理に使われています。

以下、シンプルで人気のある2つのレシピをご紹介します。

 

キノコの煮込み

◎材料                         

マッシュルーム

玉ねぎ 1個

トマト

にんじん

ピーマン 2個

食用油 大さじ3

塩 大さじ1

にんにく 1片

  

◎作り方

油を熱します。みじん切りにしたマッシュルーム、玉ねぎ、にんにく、ピーマン、トマト、すりおろしたにんじんを加えます。

少量の水、オイル、お好みのスパイスを加え、水がなくなるまで加熱します。

 

乾燥キノコのピーナッツバター和え

◎材料

乾燥キノコ

ピーナッツバター

刻んだトマト

 

◎作り方

乾燥キノコを柔らかくなるまで茹で、トマトを加えます。

トマトに火が通ったら、ピーナッツバターとお好みで塩を少々加えます。

 

国連WFPのジンバブエでの活動についての詳細はこちら