女性と少女に大きなバングラデシュの夢を与えるおばあさん
この記事は2021年の国際女性デーを記念して、「リーダーシップを発揮する女性、新型コロナウィルスの世界で平等な未来を実現する」をテーマにしています。
「バングラデシュの女性は、以前は家の外に出ることを許されていませんでした」とクルシダ・ベガムは若い花嫁だった頃を思い出しながら語りました。現在50代前半のおばあちゃんになった彼女は、バングラデシュのコックスバザールにある自宅の庭に座っています。
お客さんが来ると、急いで家の中に入らなければならなかったと言います。しかし、やがて家の外に出て、彼女は家族を養い、国連WFPの支援を受けて、自分のビジネスを始めることができました。
クルシダのような女性は、男性であれば自立することがはるかに容易なこの国において、包括性、代表性、主体性の先駆者です。
クルシダは、国連WFPの栄養と食料安全保障に焦点を当てた生計プログラムに参加しています。このプログラムでは、弱い立場にある女性に技能訓練と金融リテラシーを提供し、さらに起業のための資金を支援しています。
2012年に開始されたこのプログラムは、現在コックスバザールで45,000人の女性を支援しています。昨年だけでも800人の新規事業の立ち上げを支援しました。
また、国連WFPは政府と協力して、国内の最も脆弱な地域に住む10万人の女性を支援し、自営業の機会を創出しています。
バングラデシュの最貧地区のひとつであるテクナフ地区で生まれ育ったクルシダさんは、若くして結婚しました。
夫の限られた収入の中で、彼女は5人の娘と2人の息子の面倒を見ることを期待されていました。彼女は、子供たち、特に娘たちに教育を与えることを決意しました。「私は5人の娘は5人の息子に勝るとも劣らないと人々に言っていました。」と彼女は言います。「教育を受けていれば、息子と同じように支えることができるのです。」
仕事を転々としながら、最終的には国連WFPのプロジェクトに参加し、支援金を受け取って自分のビジネスを始めました。
「最初は、利益の半分を娘たちの教材に使い、残りのお金で家族のために栄養のある食べ物を買っていました。」
徐々にビジネスを拡大していったクルシダさん。今では、テクナフに数多くある国連WFPの支援団体のひとつであるバブイ支援グループの幹事を務めています。驚くことに、彼女は同時に野菜や養鶏業と家禽業の事業も行っています。
クルシダの世代は、ポジティブな変化に向けて小さな一歩を踏み出し、それが時を経て大きな一歩となったのです。その変化とはどのようなものでしょうか?
クルシダの長女であるアリファは、「女性も機会さえ与えられれば、社会の中でさまざまなことができるということが、少しずつ理解されてきました」と言います。
アリファは、コミュニティで最初に高校を卒業した女性の一人で、母親と同じ決意を受け継いでいます。現在、彼女は地元でコミュニティ・ヘルス・ワーカーとして働いています。
「子供の頃、母が人の幸せのために働いているのを見ていました。そのため、私も大人になったら同じように人のために働き、困っている人のそばにいようと思いました。私が母から影響を受けたように、娘にも私から影響を受けてほしいです」と、母親になったアリファは誇らしげに語っています。
クルシダの夫であり、アリファの父親でもあるアジズル・ラフマンは、クルシダがビジネスを始めることを歓迎していました。しかし、娘たちが5年生まで勉強するとは思ってもいなかったので、妻の協力がなければ多額の費用がかかっていただろうと言います。様々な意味で女性を敬遠する社会の中で、この家族は、より多くの少女や女性が家の外での生活を夢見ることが可能であり、重要であることを示しています。
「私たち家族に触発されて、他の人たちも子どもたち、特に女の子を学校に通わせています」とアジズルは言います。
バングラデシュは、南アジアの男女格差・インデックスで最高位に位置しています。依然として格差や不平等は残っていますが、クルシダのように家から出て機会を主張する女性たちによって、多くの進歩が達成されています。クルシダの選択は、次の世代が自立し、勇気を持ち、自信を持つための道を開き、刺激を与えてきました。
クルシダは言います。「十分な機会が与えられれば、私たち女性は前に進むことができます。」
国連WFPのバングラデシュでの活動について